ガツンとひとのし。何とウグイ。ヴァイブレーションに来た。
かつて釣り道具屋は都内のあちこちにあった。そのほとんどが個人が
経営する小さな構えで、しもたや風でもあった。大抵は竹の釣竿を扱う
店で小上がりがあったり、竹や浮きを直すために火鉢があったりした。
釣りが趣味などと言おうものなら、お爺さんみたいって言われたものだ。
釣りは年寄りの趣味の世界だった。今なら若いひとが盆栽が好きだと
言うようなもんだ。
ずいぶん昔のことだが東京のデパートにも釣具売り場があった。銀座
なら松坂屋、新宿なら京王百貨店、渋谷にもあったが場所を忘れた。
もっと昔は丸ビルにもあった。
松坂屋の釣具売り場は最初は地上階にあったはずだが最後には地下
になった。たしか千葉のシマアジだか、海の大型魚のルアーで脚光を
浴びた時期もあったが意外と早くに売り場がなくなってしまった。
京王は何階だか覚えていないが結構ルアーやフライを扱っていた。
面白いのは、売り場にノートが置いてあって、釣り場、何月何日、ルア
ーや魚の大きさなどを書き込むようになっていた。ここに書き込むのは
ほとんどがバス好きな連中で、例えば、5月3日、津久井湖 日赤下、
バス45センチ、ワーム紫等々だ。
週明けにこの売り場に行くと決まってデータが更新されている。それを
楽しみに見るのだが、大体書き込む人間が決まっていた。ほとんど毎週
バスを釣りに行っているのがここからうかがい知れた。その中でも筆頭
は、名前を出せば、ああ、あのひとか、というほど今なら名の知られて
いるT君だった。個人的には面識がない。いや、一回彼の会社で会って
いるかも知れない。用があってW君に会いに行ったときに紹介されたよう
な気がする。彼の会社が以前恵比寿にあったときにフライボックスを買
ったことがある。
彼の会社は今ではバス釣りでは大手の釣具会社となっている。役員あ
たりになっている筈だ。
京王の売り場では釣り相談室も開催していた。報知新聞の釣り欄の各
担当者が持ち回りで相談を受けていた。例えばハゼ等の小物だと菅野
忠治さんとか、流行のルアーやフライだと井上博司さんが担当で、土曜
か日曜の午後だったと記憶している。
黎明期からルアーフィシングの本を出している井上さんは初めはハンド
メードのルアーを展示していたが、後にはバイスでバスバグの作り方も
見せていた。
僕はこの相談室にしょうちゅう通い閉店時刻くらいまでいるので顔を覚
えられてしまい、しまいには飯までご馳走になってしまったことがあった。
当時僕は浦安の船宿を口説いて船を出させルアーでフッコを釣ることを楽
しんでいた。船頭とは年が近いし、また偶然にも名前が同じで気があった。
客もまだ少なく馴染みで2,3人だったから自由がきいた。サイズ的には
4、50センチクラスが一番多くスズキクラスはなかなか出ない。
いろいろ話しているうちに、井上さんは、フッコをルアーで釣ることに夢中
だった僕にその釣りのことを記事にして書いてみないか、と勧めてくれた。
要するにお手軽な乗り合いの海のルアーだ。まだ千葉の小峰丸がルアー
の乗り合いを始めていない頃でシーバスなんて洒落た呼び方をしていなか
った。
浦安あたりの船宿では、秋から冬になると昔から江戸前でやっていたカッ
タクリをしてフッコを釣っていたのだ。そこへ通ってはジグを投げてフッコを
釣ることに夢中だっだ。これがまた実によく釣れた。船頭がジグに宗旨替
えするくらいだったからジグの威力はすごかった。
船宿から30分もかからないで沖にでると鳥山が多く、フッコは必ずその
下に群れていた。浦安沖といってもいい距離でロクに走った記憶がない。
アブの5000Cにディプロマットでジグるとガツンと来る。絞り込むのを
御して水面までもって来るとジャンプをする。これが楽しみで毎週通って
いたのだった。ジグはまだ種類がロクになかった。スティングシルダ、
エゴンパークにスヌッセンあたりを良く使った。ラパラのシンキングも
使ったがジグのほうを多く使用した。
この辺りの一連の事を記事にして、ある釣りの月刊誌に載せて頂いたら、
しばらくして編集の女性の方から電話があり、好評だったからまた書いて
欲しいと言ってきたが丁重にお断りをしてしまった。当時仕事が連日残業
でそれから同業者と夜の町に繰り出すような生活で時間がまるでなかった。
釣りの時間を作りだすのがやっとだったのだ。申し訳ないことをした。
京王百貨店の売り場ももうない。売り場担当だったI君ははその後フライ
フィッシングの本を出しているが絶版かも知れない。
当時の釣りの写真がいくら探しても見あたらない。新聞社の取材で海の上
で何枚も写真を撮ったはずだが。
ちょっと意外なモノ。
1979年10月。ファッツーOに来たウグイ。
これは何とギギ。ナマズに似ているがナマズではない。1985年8月。
釣りたくて釣るわけじゃあないけどね、虹が来たり、鯉が来たり。
来るモノはしゃあない。拒まない。
かつて釣り道具屋は都内のあちこちにあった。そのほとんどが個人が
経営する小さな構えで、しもたや風でもあった。大抵は竹の釣竿を扱う
店で小上がりがあったり、竹や浮きを直すために火鉢があったりした。
釣りが趣味などと言おうものなら、お爺さんみたいって言われたものだ。
釣りは年寄りの趣味の世界だった。今なら若いひとが盆栽が好きだと
言うようなもんだ。
ずいぶん昔のことだが東京のデパートにも釣具売り場があった。銀座
なら松坂屋、新宿なら京王百貨店、渋谷にもあったが場所を忘れた。
もっと昔は丸ビルにもあった。
松坂屋の釣具売り場は最初は地上階にあったはずだが最後には地下
になった。たしか千葉のシマアジだか、海の大型魚のルアーで脚光を
浴びた時期もあったが意外と早くに売り場がなくなってしまった。
京王は何階だか覚えていないが結構ルアーやフライを扱っていた。
面白いのは、売り場にノートが置いてあって、釣り場、何月何日、ルア
ーや魚の大きさなどを書き込むようになっていた。ここに書き込むのは
ほとんどがバス好きな連中で、例えば、5月3日、津久井湖 日赤下、
バス45センチ、ワーム紫等々だ。
週明けにこの売り場に行くと決まってデータが更新されている。それを
楽しみに見るのだが、大体書き込む人間が決まっていた。ほとんど毎週
バスを釣りに行っているのがここからうかがい知れた。その中でも筆頭
は、名前を出せば、ああ、あのひとか、というほど今なら名の知られて
いるT君だった。個人的には面識がない。いや、一回彼の会社で会って
いるかも知れない。用があってW君に会いに行ったときに紹介されたよう
な気がする。彼の会社が以前恵比寿にあったときにフライボックスを買
ったことがある。
彼の会社は今ではバス釣りでは大手の釣具会社となっている。役員あ
たりになっている筈だ。
京王の売り場では釣り相談室も開催していた。報知新聞の釣り欄の各
担当者が持ち回りで相談を受けていた。例えばハゼ等の小物だと菅野
忠治さんとか、流行のルアーやフライだと井上博司さんが担当で、土曜
か日曜の午後だったと記憶している。
黎明期からルアーフィシングの本を出している井上さんは初めはハンド
メードのルアーを展示していたが、後にはバイスでバスバグの作り方も
見せていた。
僕はこの相談室にしょうちゅう通い閉店時刻くらいまでいるので顔を覚
えられてしまい、しまいには飯までご馳走になってしまったことがあった。
当時僕は浦安の船宿を口説いて船を出させルアーでフッコを釣ることを楽
しんでいた。船頭とは年が近いし、また偶然にも名前が同じで気があった。
客もまだ少なく馴染みで2,3人だったから自由がきいた。サイズ的には
4、50センチクラスが一番多くスズキクラスはなかなか出ない。
いろいろ話しているうちに、井上さんは、フッコをルアーで釣ることに夢中
だった僕にその釣りのことを記事にして書いてみないか、と勧めてくれた。
要するにお手軽な乗り合いの海のルアーだ。まだ千葉の小峰丸がルアー
の乗り合いを始めていない頃でシーバスなんて洒落た呼び方をしていなか
った。
浦安あたりの船宿では、秋から冬になると昔から江戸前でやっていたカッ
タクリをしてフッコを釣っていたのだ。そこへ通ってはジグを投げてフッコを
釣ることに夢中だっだ。これがまた実によく釣れた。船頭がジグに宗旨替
えするくらいだったからジグの威力はすごかった。
船宿から30分もかからないで沖にでると鳥山が多く、フッコは必ずその
下に群れていた。浦安沖といってもいい距離でロクに走った記憶がない。
アブの5000Cにディプロマットでジグるとガツンと来る。絞り込むのを
御して水面までもって来るとジャンプをする。これが楽しみで毎週通って
いたのだった。ジグはまだ種類がロクになかった。スティングシルダ、
エゴンパークにスヌッセンあたりを良く使った。ラパラのシンキングも
使ったがジグのほうを多く使用した。
この辺りの一連の事を記事にして、ある釣りの月刊誌に載せて頂いたら、
しばらくして編集の女性の方から電話があり、好評だったからまた書いて
欲しいと言ってきたが丁重にお断りをしてしまった。当時仕事が連日残業
でそれから同業者と夜の町に繰り出すような生活で時間がまるでなかった。
釣りの時間を作りだすのがやっとだったのだ。申し訳ないことをした。
京王百貨店の売り場ももうない。売り場担当だったI君ははその後フライ
フィッシングの本を出しているが絶版かも知れない。
当時の釣りの写真がいくら探しても見あたらない。新聞社の取材で海の上
で何枚も写真を撮ったはずだが。
ちょっと意外なモノ。
1979年10月。ファッツーOに来たウグイ。
これは何とギギ。ナマズに似ているがナマズではない。1985年8月。
釣りたくて釣るわけじゃあないけどね、虹が来たり、鯉が来たり。
来るモノはしゃあない。拒まない。
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