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THE FIFTH WITNESS

2012-02-02 21:52:27 | MICHAEL CONNELLY
お馴染みのマイクル・コネリーの新作です。PBになりました。

コネリーといえばハリー・ボッシュの刑事モノで有名なべストセラー
作家ですが、この新作は別のシリーズで、A Lincoln Lawyer でスター
トした弁護士ミッキー・ハラーが登場する新作です。もちろんハリ
ー・ボッシュもほんの少しですが友人役で顔を出しています。

ハラーも事務所代わりにしていたリンカーンからちゃんとした事務所
を構えてまともな弁護士になっての登場です。

結論から言うとちょっと無理があるかなという法廷のやりとりが多い
感じがします。

まずバックに景気の落ち込みから来る住宅の差し押さえがあり、ハラー
の主なお客である下層階級からの依頼が減って来ているというのが
あります。まあ、これはこれで良いのです。景気の悪い今のアメリカを
象徴している社会状況ですから。「現在」を背景にするのはコネリー
としては珍しいのではありますけど。

内容は、住宅差し押さえのトラブルが動機と思われる銀行の副社長の
殺害事件が起こり、現場を通りかかったという、ハラーのお客のひとり
である、住宅を差し押さえられたLISAが容疑をかけられ逮捕されます。
そこでハラーがこの弁護にあたる、というものです。

彼女は潔白でありとことん無罪を主張します。やがて裁判になり検察側
とのやりとりが展開されるのでありますが、例によってありとあらゆる
駆け引き(法廷モノの読み物ではこれが売りです)がありハラーは手練
手管を駆使して必死に弁護に回るのです。

しかし、どうもこの辺がちょっと弱く感じられるのですけれども、結局は
無罪を勝ち取ってしまいます。どうしてこれで無罪になるん? って
感じなのですよ。有罪にできなければつまりは無罪なの? って無理では?
しかもこのへんの結末もはっきりしない印象が残ります。

現在世界中で流行しているFACEBOOKなども検察側の証拠として取り
入れていて現代的ではあるのですが、弁護側としては無理な材料が多い
のです。検察側も断片的な証拠で有罪に持ち込むにはちょっと弱い
感じで、こちらもまた今イチなのです。

が、しかし、話はここで終わりません。最後にドンデン返しがちゃんと
用意されていました。まあ、この辺がコネリーらしいっちゃコネリー
らしいのですが。ドンデン返しのために不自然な状況をわざと作りだして
いるのかも知れませんが・・・この辺もちょっとねえ。

ミッキーハラーはやはり一匹狼で事務所代わりのリンカーンで動き回って
いる方が良いと思うのだけど・・・建物に事務所を構えると普通の法律
事務所の弁護士になっちゃってあまり魅力があるとは思えないのですが。

ミッキー・ハラー・シリーズの次回作ははどうなるのでしょう。低所得
階級を相手にしていたハラーはそれに嫌気がさしたような終わり方です。
事務所は構えたものの気に入らなくてまたリンカーンに戻っていたりして。

そう言えば映画化された「A Lincoln Lawyer」はまだ封切りされて
いないようですが日本では上映されないのかな? それとももう終って
いたりして。

個人的には1992年あたりから始まったLAPDの警官ハリー・ボッシュ・
シリーズの方が好きですね。一匹狼で、どこか影があって、一本気で、
署から帰宅したら景色を見ながらジャズを聴いて独りビールを飲む。
風が気持ち良さそ。

ハリー・ボッシュが登場する次ぎの作品はこれ↓ですが、まだPBになって
いません。今年の夏ぐらいでしょうか。



楽しみです。

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