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日本橋

2007-03-09 09:19:36 | 江戸由縁東京旧聞
日本橋と言っても大阪のそれではなくて東京の日本橋のことです。
昔から歌に残るようにここは江戸時代の旅の出発点でした。


上に架かる高速道路、野暮ですよ。見てくれが悪いわ。

徳川家康が江戸に来て早々と造らせたのが日本橋で、ここを起点
として五街道が延びています。もちろん当時は木の橋ですが、現
在の日本橋は2連アーチの明治期の代表的なルネッサンス風の
石作りで国の重要文化財です。こんな由緒ある歴史的な橋の上に
高速道路をかけてしまうセンスは如何なもんでしょうか。いくらオリ
ンピックだったとは言えちょいとねえ。


この写真良いでしょう。外国みたい。

今になって高速道路を外そうという運動をやっていますが、私しゃ
当時から反対だったんですけど。誰が見たって美観を損ねるよね。
オリンピックで架けたんだから今度はオリンピックをやらずに、その
費用で外してやれば良いんじゃない。無理してまでオリンピックを
やることないと思うけど。


上の2枚の写真は戦前土木絵葉書ライブラリ>橋梁からお借りしました。

江戸時代は永代橋や日本橋から富士山が見えたんでしょうね。愛
宕山が見えて、その向こうに大きな富士山。江戸の町並みがきれい
に並び、緑豊かでね。きっと。静かでさ。空気も澄んでね。

初夏の夕立がサッと降った後に、通りの向こうから髪をきれいに
結った姐さんが来るだろ。それで、さっとすれ違った際に、鬢付け
油の匂いがすっと漂って来るはな。堪らないね、もう。
空気が澄んでいなけりゃこうは行かないもんな。
ちょっと脱線です。

「お江戸日本橋七つ発ち、初上り」で始まるこの上り唄は文字通り
日本橋から京都までの行程を唄にしたもので、高輪で終わりでは
ないんです。だから京都から江戸まで戻る行程の歌詞ももちろん
あるんですよ。東海道の道中唄ですから。昔、コーちゃんがテレビ
で和服着て歌っていたのを見た覚えがあります。越路吹雪さんで
すよ、と言っても若いひとには解らないでしょうけど。目が素敵な
ひとでした、はい。

「七つ発ち」は午前の4時頃、まだ暗いうちに出発し、「こちゃ高輪
夜明けの提灯消す」は、高輪は最初の宿の品川の手前、明るくな
って来たから提灯を消す、ということです。このあと品川では、「恋
の品川女郎衆に袖引かれ~」となり、この調子で唄は延々と大津
あたりまで続いて行きます。そしてまた帰りは江戸までの下り唄に
なる、という訳です。

小学校の音楽の教材に「お江戸日本橋七つ発ち」で始まり「提灯
消す」までの歌詞は昔はあったような気がしますが、子供にはここ
までだねえ、二番はまずいや。小学生の男の子が隣の席の女の
子の手などを握って、「恋の品川女郎衆に袖引かれ」なんて意味
も解らず、大きな声で歌われちゃあ、聞くほうがビックリしちゃうよ。

もっとも道中唄だからね、地方によっては歌詞が違うところもある
だろうけど。それだけ昔はおおらかだったってことでしょう。

日本橋は深川の我が家から歩いて行っても50分くらいでしょうか。
日本橋から近いところに高校があったので自宅からは都電通学をし
ておりました。確か28番と38番の都電で深川方面から永代橋を
渡り日本橋まで行き、呉服橋、鍛冶橋を抜けて東京駅まで行ける
路線だったと記憶しています。

これに乗り終点の日本橋の交差点で降りると、角に白木屋デパー
ト、手前に紙のはいばら、右へ曲がれば日本橋、左へ行けば高島
屋デパートに本の丸善と華やかな一帯でした。放課後はもっぱら
この辺を遊び歩いておりました。都電の安全地帯などあちこちに
あったものでしたが。その時分はクルマも少なかったですからね。

日本橋を越え三越から先、室町にかけては江戸の商店の老舗が
ずらりと並びその昔十軒店の通称で知られておりました。今でも
高校時代の友人が室町で大店張ってやっていますが、昔からの
由緒あるところだから大変みたい。

江戸名所図会には日本橋について「この地は江戸の中央にして、
処方への行程も此所より定めしむ。橋上の往来は、貴となく賎と
なく、絡駅として間断なし。又橋下を漕つたふ魚船の出入、旦(
あした)より暮に至る迄、傲傲としてかまびすし。」とあります。

「南北に架す。長さは凡そ二十八間、南の橋詰西の方の御高札
を建らる。」とも記されています。約45メートル。現在の長さとそう
変わらないですね。

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