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「THE ALOHA SHIRT」その3 二つのむさしや

2009-06-13 20:29:45 | ハワイに関すること
ふたつのラベル "THE ALOHA SHIRT"    


知り合いのひとりがアロハシャツの販売をしています。ときどき
ハワイへ行ってはアロハシャツを仕入れてきたり、マーケットの
視察に行っていますが、現地でないと入手できないものもあります
ので、たまに、オイ、アレ買って来てくれよ、なんて頼んだりして
います。浅草で営業していますので寄り易いのが嬉しいです。

さて、ハワイにおけるアロハシャツの成り立ちには日本人のテーラー
が大いに貢献していたのでありますが、なかでも「むさしや」は
有名で今なお知られており、そのリメークものも販売されている
ほどです。ところでこの「むさしや」のブランドは実は二つ存在
します。デールホープ氏も指摘しているように、ここのところが
どうもある種の誤解を生んでいるようです。

そもそもは、1885年2月8日最初の官約移民944名と共に
ハワイに来た宮本長太郎がホノルルのノースキング330番地に
1904年に始めた呉服店"MUSA-SHIYA"が始まりで、その後
1915年に長太郎が死去すると、日本に里帰りし教育を受けていた
息子の孝一郎がハワイへ「帰米」して後を継ぎ、社名も新たに
"MUSA-SHIYA SHOTEN"としたのです。

新聞広告などに宣伝を載せ商売は順調に進みますが、1934年に
藤井純一商店に売却してしまい、孝一郎自身は"Musa-Shiya the
Shirtmaker"という別の店をを開きます。ここのところがふたつの
「むさしや」として誤解を生じて判りにくくしているようです。
その後1968年孝一郎が73歳の年に店を閉めるに至るのであり
ます。

「むさしや・ザ・シャツメーカー」と「むさしや商店」というふたつ
のブランドが存在したのはこういったいきさつからだと思われます。

デールホープ氏の本によると、Musa-shiya the Shirtmaker と 
Musa-shiya Shoten Ltd. は ”two separate shirtmaking businesses"
と記されています。お互いコンペティターであったわけですね。



"THE ALOHA SHIRT"

後年の宮本孝一郎氏。今になって復刻モノが人気になっているとは
天国で喜んでいるかもしれませんね。

でもねえ、どのメーカーの復刻モノもちと値段が張りますね。
もう少し安いと良いのですが。もっとも私はシグゼーン(クリックすると
音が出ます。ご注意。)が好きで良く着ています。行くならやはり
ハワイ島ですので。

ハワイへの日本人移民の歴史と合わせてアロハシャツの成り立ちを
調べてみると楽しい発見があります。次にハワイ島に行くことが
あればハワイ島ではどんなシャツメーカーがいたのか調べるのが
今から楽しみになりました。









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