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お招きを頂いて

2010-03-13 19:38:26 | その他
会社から帰ったら新内の発表会のご案内が届いていた。

富士松小照さんの一門の発表会が4月にあるらしい。
チケットが二枚同封されていてご招待となっていた。

これは有難い話だ。うれしいねえ。最近新内だけの発表会も
なかなか聞かないからちょっと楽しみだ。

彼女の事務所が茅場町になっているが、以前は同じ日本橋でも
蛎殻町にあった。従兄弟が同じところに住んでいたので良く
記憶している。最近引越しをされたようだ。

浄瑠璃の演目を見たら、新内といえばこれ、というほど有名な
「若木仇名草 蘭蝶」や「明烏夢泡雪」がある。代表的な新内で、
新内といえば「蘭蝶」、「蘭蝶」といえば新内というくらい知られ
ている。



どこの新内の発表会へ行ってもまず「蘭蝶」は必ず入っている。
小唄の中でも「若木仇名草」のくだりはあって「あたしは蘭蝶の
女房、宮でござんす」なんて口説があったりする。心中に至る話
になるからここはここでまた泣かされる。日本人の情緒に新内も
小唄もない、歌のジャンルで泣くわけじゃない。心で感じて揺す
ぶられるのだ。

哀調が強くて自殺が増える、というので江戸時代には新内が
禁じられた時期があったそうだが、理解できない話じゃないな。
むべなるかな。

新内の哀愁の効いた名調子は、いわばポルトガルのファッド
にも共通するものがある。かつてはアマリア・ロドリゲスで今は
その妹セレステが87歳の高齢にもかかわらずサウダーデ(哀愁)
を漂わして歌っている。運命のファッドだ。姉のアマリアはラテン
音楽解説の第一人者高場将美さんのお奨めだった。


風格漂うセレステ・ロドリゲス

隣の国だからスペインにいる時にちょこっと寄って来れば
良かったと後悔している。もっとも40年も前の話だが・・・

ブラジル音楽ならショーロが文字通り「泣き節」になる。洗練
された弦楽器のメロディーの哀調が聞く者の胸に響く。ただし
こちらはサウダージだ。発音の違いだが。ウクレレに似たカバキー
ニョという弦楽器のメロディが哀愁を生みだし悲哀すら感じさせる。
新内の三味線と良く似ている。泣けてきます。

話がまた脱線した。ポルトガルとブラジルへ飛んでしまった。
どうもいけませんね、こりゃ。

この小照さんの発表会の中で聞いてみたいのは、「蘭蝶」もたしか
にそうだが、特に聞いてみたいのは「花井お梅」だ。細かいことは
こちらを見てもらうとして、新派にも歌舞伎にもかつては取り上げ
られた演目なのだが最近ではあまり見ることも聞くこともなくなった。

小照さんは年に何回か大きな会場で発表会をしてらっしゃるようだ。
たまには見にいらして、と招待券を送ってくれたんだろう。そういう
気持ちが嬉しいねえ。

いまから楽しみにしている。


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