いよいよ出発です。乗車から出発まで時間があまりないのでちょっと慌ただしいです。
小田原の乗務区の人たちもお見送り
次の停車駅の熱海まではゆっくりと海岸線沿いを進みます
ランチコースの目玉である料理はセッティングされた状態で入線してきますので、すぐに食べ始めることができます。その一方で、料理の説明は寄木造りのふたの上にのせられたメニューのみで乗務員から説明はありません。ホームページを見ると秋元シェフ監修のもと伊豆の食材で調理されたという謳い文句もありますし、その辺の説明だけでも乗務員からあるとレストラン列車としてより良いかもしれませんね。
クレイルスタイル・オータムランチセット(2016年10月)
フードメニュー
・ローストビーフ たっぷりキノコのドゥミグラスソース
・南伊豆獲れ伊勢海老と長芋の冷製フラン
・箱根山麓豚と伊豆産原木椎茸のピンチョステリヤキマスタードソース
・駿河湾産釜揚げシラスの入ったブランダッド
・ピペラードを詰めたコンキリオーニ
・伊豆野菜を詰めた若鶏のバロティーヌ
・小山町産金太郎マスと秋ナスのキッシュ
・南伊豆温泉メロンと生ハムのオードブル ピクルス添え
ドリンクメニュー
・伊豆クラフトビールまたは伊豆のソフトドリンク
・ミネラルウォ―ター(飲む温泉 観音温泉水)
お料理はともに美味しかったです。ちょっと残念だったのは食べにくいことですね。おしゃれな小鉢に入っているのですが、一口サイズでは無いキッシュやコンキリオーニは上品に食べるのにかなり難儀します。ナイフが無いので切ることはできませんし、フォークで小さくしようにも器のサイズが小さくてフォークを操るのがなかなかに難しいです。そして上品に食べることなど諦めます(笑) 女性を意識しているのなら誰でも上品に食べられるように一口サイズにカットした状態にするなどもう一工夫あるとより良いと思いました。
飲み物は伊豆のビールかソーダが選べます。欲を言えばジュース(伊豆産の柑橘類を使った商品が下田の道の駅で売っていました)などがあると、アルコールが飲めなくて炭酸も苦手という人でも選択肢ができて良いかなと。ビールとソーダだけというのはちょっと選択肢が微妙かなと思いました。
海の見える根府川では長時間停車します(後続列車2本に道を譲るため)。駅周辺に住み着いた猿の集団(30匹はいたと思います)がお出迎えしてくれました。車内から見る分には可愛いですが、駅で待ってたらなかなかにスリリング・・・
我々が乗車した3号車の各コンパートメントはのれんで仕切られて半個室のようになっています。で、この写真を撮った時に乗務員に写真撮るなって注意されました(マジ引くわー)。3号車がこのようになっているのは4号車から2号車のラウンジに向かう客が廊下を歩いても3号車の乗客が気にならないようにする配慮なのでしょう。で、4号車の客が写真を撮らないようにという注意なのだと思います。これは個人的感想ですが乗務員は1号車・3号車の客と4号車の客を明確に区別していると感じました。区別するのは良い判断だと思いますが、3号車客か4号車客か判断できない状態で注意するのは接客としてはレベルが低いと言わざるを得ませんね。ちなみに、注意した乗務員からは後ほど謝罪があったので前に書いたような区別がされていると判断しました。
熱海駅では少々停車時間があるのでホームから列車撮影が可能です。
記念撮影用セットも。この日このセット利用して記念撮影したの自分だけでしたけどw
熱海駅にもLED案内表示職人がいるみたいですね。
ついでに売店も眺めてきました。
小田原駅ラウンジで貰った伊豆クレイルグッズ
どのグッズがあるかは日によって変わると思います。
熱海を過ぎてからデザートが配膳されました。
デザートメニュー
・ピーカンナッツの入ったしっとりガトーショコラ
・伊豆みかんのプリン
・コーヒー
メニューにはありませんが紅茶も選べます。メニューに書かない理由はよく分かりませんが、コーヒーが苦手な方は乗務員に確認してみてください。デザートも美味しかったです。カトラリーが3つあり、スプーンとフォークはすぐに使い道が分かりましたが、独特な形状のマドラーだけは何に使うのか難儀しました。
伊東から伊豆急線内に入ると海岸線を走りますが、急峻な地形のためトンネルも多くなります。この辺は景色を楽しみながら会話を楽しむ区間と言えますね。
伊豆急下田到着30分前の13時30分からミニコンサートが2号車で開かれるというアナウンスがあり行ってみましたが、そこそこの人が集まっていました。この隙に1号車撮影できるかなと覗いてみましたが1号車のお客さんはほとんど1号車に残ってました(→車内撮影断念)。3号車のお客さんも各コンパートメントで談笑されていましてね・・・このコンサートは4号車向けの催し物なのだなと(笑) 弾き語りの選択に文句は言いたくありませんが、JAZZや郷土音楽の方が良さそうな印象も受けました。ミニコンサートは10分ほどでしたが、やるなら13時頃からもう少し長い間やっても良いのではないかと思います。実に中途半端でした。コンサートとは別で車内はBGMが随時流れた状態で運行されますが、BGMの選曲は正直ピンとこない感じでした。
13時45分頃には海が見える区間を徐行運転するというアナウンスがありましたので、車内でもっとも景色を堪能できる2号車で見物しました。徐行すると言っていましたが徐行しているという感じは受けませんでした。
14時過ぎに伊豆急下田に到着し伊豆クレイルの旅は終了となります。前編の1号車写真はこのタイミングで撮影しました。
伊豆クレイル
良かった点
・昨今の観光列車といえば水戸岡先生に頼りがちだが、そうしなかったのは良いと思う。
→水戸岡先生監修なら良い雰囲気の列車になるのは間違いないが、他の水戸岡先生監修列車との差別化が難しそう。
・食事は美味しかった
→伊豆の食材を使ったランチは美味しかったです。静岡といえばお茶ですが伊豆の方だから無いのも仕方ないね。
・ラウンジはお粗末だがコンセプトはGood!
→びゅう旅行商品利用者限定にするなど、満席対策は必要。
・651系はゆっくり走るとかなり乗り心地が良かった
→常磐線、130km/h爆走はやっぱ乗り心地に難アリになってしまいますね
微妙かも、改善して欲しい
・4号車切り離してください
→4号車も1号車と同等の設備でびゅう旅行商品限定の団体列車で良いと思うんですよね。4号車のせいでびゅう旅行商品利用者がイヤな思いをすることもあるでしょうし。4号車も1号車同様の内容でびゅう旅行商品にすれば提供座席数が増え予約が難しい現状も少しはマシになるのでは無いでしょうか。現状設備なら2号車と3号車の順番を変えて4号車の乗客がびゅう旅行商品側の車両に入れないようにして欲しかったです。
・伊豆急線内はノンストップ(行き違いの運転停車のみ)で良いと思う
→伊豆急線内は停車駅が多いので、そのたびにアナウンスが流れて談笑を邪魔します。びゅう旅行商品利用者は小田原・熱海→伊豆急下田が利用区間になるので、途中停車駅など必要ありません。
・乗務員の教育
→1号車と3号車の乗客に関して顔を覚えて欲しいですね。注意する必要があるなら尚のこと。
・運行時間を再考して欲しい
→小田原11時40分発→伊豆急下田14時すぎ着は本当に観光客にとってよい運行時間なのでしょうか?ランチを配膳することを考慮して決められた時間なのでしょうが、出発到着とも1時間早い位の方が便利だと思います。10時40分小田原駅出発後ウェルカムデザートで談笑→11時40分頃熱海駅出発後ランチボックスを配膳し伊豆の食材で作られているPR→12時30分頃デザートを食べ景色を見ながら談笑→13時すぎに伊豆急下田駅到着。宿泊にしろ日帰りにしろ午後一から下田観光ができれば下田の観光振興にもつながると思います。ダイヤ上無理?そんなの運行側の都合であり、利用者にとっては知ったことでは無いんですよね。観光列車の魅力を最大限発揮するなら多少のダイヤ変更くらいするべきでしょう。
・びゅう旅行商品の制限
→当初日帰りの東京・横浜発着プランを利用予定でした。しかし、復路の特急列車が東京駅着列車のみしか利用できない制限があり復路スーパービュー踊り子を利用する場合は下田滞在10分未満で折り返す必要があり断念しました。東京発着プランなら仕方ないですが、横浜発着プランなら東京行、新宿・池袋・大宮方面行の両列車を利用可能にして欲しいです。
・内容に違いが分からないのに、夏→秋で値上げしたのは解せぬ
→ホームページを見る限り大きなコスト増加要因が無いのに夏分は連日満席だったランチコースのみ1,000円値上げされたのは、たかが1,000円でも商売の汚さが見えてイヤな気分。
割とどうでも良い
・泥酔客は乗車拒否しても良いと思うのでありますよ
・ロイヤルボックスつけようよ(無茶苦茶な提案)
まぁ、悪くは無かったですがリピートはいいかなと言う感じでした。昔なら観光列車と言うだけでもてはやされたかもしれませんが、昨今は様々な鉄道会社が観光列車を運行する時代です。これはと思わせるような工夫がもっと欲しいです。来年夏には伊豆急アルファリゾート21を改造した観光列車を伊豆急が運行を始めます。詳細は不明ですが東急グループ初の観光列車*に期待します。
ネットでは同時期に運行開始した西武鉄道の”旅するレストラン”と比較している記事がありましたが、個人的にはレストラン列車としてなら西武旅するレストランの方をオススメします。景色は伊豆クレイルの方が良い(西武は飯能すぎないと住宅街走ってるだけですし)ですが、景色を楽しむだけならスーパービュー踊り子やリゾート21の方がオススメです。
伊豆クレイル
http://www.jrizu.jp/izucraile/
一緒に乗車したお友達さんのブログ記事はこちら
「lounge SRG」
伊豆クレイル乗車記 その1
伊豆クレイル乗車記 その2
座席探訪 651系「伊豆クレイル」
基本的に酷評なのは同じスタンスなのに、写真の魅せかたや文章力の高さのせいで大変素晴らしい列車に見えてしまう件(^_^;)
おまけ
下田も駅から歩ける範囲で観光しました。
唐人お吉記念館
了仙寺
ペリーロード
下田旧澤村邸
下田の街中には鱗壁の建物が何軒も建っています
ペリー艦隊来航記念碑
帰りはスーパービュー踊り子の展望席で。窓汚かったですがさすがスーパービューでしたわ(*^_^*)
おしまい
*ヒカリエ号?何それ美味しいの?
「あえてゆっくり行く旅」みたいなことをパンフレットにあちこちで謳ってますが、ゆっくり走ってるって印象はまったくなかったです。海沿いの徐行区間もあっという間に通り過ぎてしまったし。いっそのこと、海を目の前に列車を一時停止させるくらいやってほしいかなと思いました。
ほかのツッコミどころもおおよそKimiさんと同じ感想です。
「常磐線を走ることしか知らなかったあの651系がこんな風に生まれ変わった」のを見に行くのが目的だったので、ぶっちゃけあとは、まともに車内撮影できる機会があれば、食事プランはもういいかなーって感じでした。とにかく「期待はずれ」までいかないまでも、JR東日本ではこの程度が限界なのかな、と。
651系余ってるんだったら、走りなれた常磐線にも観光列車に改造して持ってきて欲しいですね。「魅力度最下位県を行く、魅力度満点のリゾート列車」
>東急グループ初の観光列車
リゾート21そのものが既に観光列車じゃないっすか(汗)。
雨後の竹の子/何とかの一つ覚えみたいな列車のブームが去ったら、アルファリゾート21編成の処遇が気になります。潮で大分やられてるでしょうから廃車だろうか。
伊豆の旅お疲れ様でした。2週連続であちらの方に行かれたみたいで・・・
徐行に関してはわざわざアナウンスするほどの物では無いと感じました。他の観光列車ですと景勝地で一時停車したりしていますし、書かれているようにダイヤ調整して停車するくらいの気概が欲しいような気もします。
JR東日本のこの手の列車で本気で取り組んだんだろうなと思うのはTE位ですかね。伊豆クレイに関しては651系の再活躍の場ができたと言うことで満足する感じですかね(^_^;)
茨城の観光列車・・・90年代に茨城県の税金でマリンライナーはまなす作りましたが、イマイチ使いどころも見いだせず朽ち果ててしまったのは残念です。気動車でしたので保安設備を整えれば茨城県内のJR私鉄両方の多くの区間で走行できた可能性もあり、今も使える状況なら、昨今の観光列車ブームに便乗した列車も作れたかもしれませんね。東京方面から水戸やひたちなか方面、水郡線、大洗鹿島線など観光列車の設定ができそうな路線も多いのに、何もしていないのは残念です。まぁ、魅力度ランキングに関しては、調査方法が胡散臭いので真に受けるのはどうかと思っています。中途半端な対策で少し順位が上がるくらいなら、最下位のままの方が話題になって良いのではとも思っています。
この手の食事を提供する系の観光列車も、初期の頃はコンセプトを入念に練り上げ、誰もが満足できる質の物を提供するという気合いの入った列車が多かったように思います。しかし、この手の列車が流行しだしてからは、「まぁ、この程度でも客はつくだろう」とコンセプトの煮詰めが甘かったり、ソフトハードともお手軽にという感じで作ってしまう会社(まぁ、JR東とかの事ですが)が見受けられるのはなんだかなぁと言う感じですね。少なくとも今回の伊豆クレイルに関しては理想とかそういうものは一切感じませんでした。お手軽にそれっぽくという感じで、初めて乗る人ならこんな物かと思うかもしれませんが、他社の食事系観光列車に乗られた方にとっては満足感が限りなく低い列車になってしまっているのは残念です。
そういえば、リゾート21自体観光列車でした(^_^;) ここでは、食事系の観光列車と脳内変換していただければありがたいです(ブログ読者に高度な変換を求めるブログ主の屑なわたしですw)
今回のリニューアル期間を考えると丁寧な車体修繕も行われるでしょうから、少なくとも登場して数年は大丈夫だと思います。あとは内容やリピートしたいと思わせる企画があれば意外と長生きするのではないかと。少なくともJR東よりは期待できると思っています。晩年は東急沿線に静態保存してレストランカーにすればいいんじゃ無いかなと思います。
個人的には伊豆の観光地としての魅力の方が心配かも・・・
これから乗車されるのを楽しみにしている時に、このような批判的な記事を見せる結果となってしまい申し訳ないですm(_ _)m
私が乗車したときから1年ほど経過していますので、車内サービスにも変化があるかもしれませんし、より満足できるサービスが提供されているかもしれません。
河津までですとフリースペースでのミニコンサートは楽しめないかもしれませんが、伊豆へのご旅行を楽しんできてくださいね(^_^)