残暑厳しい中、秋の気配をいち早く知らせる赤とんぼ
アキアカネの姿が、ガーデンに頻繁に見られ始めた。
ハッと息を飲むように鮮やかな朱色に染まった尾っぽ。
透き通った黒色のベールのような網目模様の羽根。
バラの枝の先端にじーっと止まってなかなか動かない。
街中ではもうほとんど目にすることのない赤とんぼも
この山の中では毎年必ず姿を現し秋の訪れを告げる。
カレンダーがなくても、こうして季節の移り変わりを
自然界の小さな生き物や植物が教えてくれるのだ。
日の出とともに一日が始まり、夕日とともに一日が終わる。
ウグイスが春を告げ、セミの声とともに夏が始まる。
赤とんぼが飛び始めると秋になり、落ち葉舞い散り冬が来る。
せかせかと1分1秒の時間に追われて過ごすのではなく
こんなふうにゆるゆるとおおらかに生きていきたいものだ。