一年に何度か気鬱な気分になり家に籠ってしまうことがある
勤労感謝の3連休天気は良かったのに気力が湧かない
殆ど食っては寝る状態で体はむくんでしまった
少しの気力を振り絞って読んだ本がこれ
クマに対する認識が少し変わった
図書名:クマは眠れない
発行所:東京新聞出版局
定 価:1,238円+税
著 者:米田一彦(まいた かずひこ)
1948年青森県生まれ
秋田県庁で鳥獣保護行政を担当し、86年退職
90年西中国地方のクマ保全を目指し、広島県吉和村に転居する
91年日本で初めて奥山放獣を手がけ、97年以降は韓国と中国でも保全事業に取り組む
現在、特定非営利活動法人、日本ツキノワグマ研究所理事長
この本で最初に驚いたのは熊の越冬生理だ
冬の間 狭く暗い穴に5ヶ月間も飲まず食わずで引き籠って大丈夫なのはなぜ
なのだろう? (私の飲み放題食い放題の3日間の引き籠りとは訳が違う)
クマは6月頃が交尾期であるが11月頃のメス熊は小熊を宿していないという
これは「着床遅延」と呼ばれる繁殖生理で冬眠に入るまで受精卵が子宮内膜に
着床せずに浮遊しており、秋にドングリ類などを食べ脂肪を体内に蓄えると、受
精卵が着床して胎児が育ち始め越冬中の2月中旬に3か月位の未熟状態で出産
するという。(秋の堅果類の餌が不足すると流産してしまうのだろうか?)
これは、活動の活発な夏や冬眠に備え食料を蓄える秋のメス熊の行動を身軽
にし、子供は安全な越冬穴で出産育成するメカニズムの様だ。
著者は生態を観察するためクマに発信器を付け厳冬期冬眠するクマを追い続け
何度か襲われたりしながらも、クマに深い愛情を持っている
「(害獣として)単なる除去論は、21世紀の地球人が目指そうとする野生動物との
共存理念に逆行するものだろう。仙台、広島、札幌。百万都市にクマが棲む国は
日本だけではなかろうか。世界に冠たる日本の自然環境を誇るなら、クマと共存
すべきだ。
クマは日本の宝だということを、われわれ日本人だけが気づいていないのではな
いだろうか。。くま(森)との共生という思想は、縄文以来の日本の伝統文化その
ものではなかったか。」
「被害農家に51%、クマに49%軸足をかけているクマの代弁者」を自認し多く
の有害鳥獣として駆除されたクマを見てきた著者の言葉は重いと思えた。
本書ではクマ出没の長期的要因として
「里山の荒廃」・・・・人家近くまで森が迫り大型獣の生息圏が広がっている
「中山間地域の過疎化高齢化」・・・放棄された果樹園や人気のない農地の餌場化
「狩猟人口の減少と高齢化」・・・春先のクマ狩りなど狩猟圧の低下
「問題クマの増加」・・・荒れた果樹園や観光地での残飯などに慣れ依存
の4つをあげているが
短期的要因としては山の堅果類の豊作不作の他、新しい見解として気象的要因
に注目している。
著書の後半はクマによる人身事故と気圧の関係を丹念に調べ検証し気圧の下が
る前の高気圧時にクマの活動が活発になり事故発生の確率が高まるのではないか
としている。
更に、地方分権により有害鳥獣駆除の許可権限が住民により近い市町村に移っ
たために安易な駆除が増えているのでは無いかと懸念している。
人間の生命に危険を及ぼすようなクマは駆除しなければならないが、スズメバチ
の被害よりも少ないといわれるクマのの被害に対して目撃されれば直ぐに補殺して
しまうのであればあまりにも策がない。
本書の副題「人を襲う異常行動の謎が解けた!」なので気象との関係に力が入っ
ているが、前半のクマを追い求めた記録部分の方が私には面白かった。また、この
副題は出版社が付けたものだろうがいささか羊頭狗肉ではないだろうか。
いずれにしても面白い本だったので前著「ツキノワグマを追って」や「生かして防ぐ
クマの害」等も読んでみたい気になった。
山でクマに会った時の対処法も書いてあった
1:正対してクマの目を見てゆっくり下がる
2:襲ってきたら立ったまま頭部頸部をやられないよう一撃目をかわす。ニ撃目の前
に窪地や岩の隙間木の陰に膝を丸めこんで潜り込む。
3:最後は持てる力で全力で反撃しろ
1以外は出来そうもない
実際、至近距離(5m程)でクマに出会ったことがあるが、足がすくんでただクマを
見つめているだけだった。 ササ藪から突然歩道に現れたクマは私たちを一瞥して
目の前を横切り斜面を登って行った。生きた心地はしなかった。
自分の「引き籠り」と似た冬眠に興味を持って読んだ本
意外に面白かったがまだ外に出る気にならない
気に入って頂けたら ボタンを押して下さい
(追記)
勤労感謝の3連休天気は良かったのに気力が湧かない
殆ど食っては寝る状態で体はむくんでしまった
少しの気力を振り絞って読んだ本がこれ
クマに対する認識が少し変わった
図書名:クマは眠れない
発行所:東京新聞出版局
定 価:1,238円+税
著 者:米田一彦(まいた かずひこ)
1948年青森県生まれ
秋田県庁で鳥獣保護行政を担当し、86年退職
90年西中国地方のクマ保全を目指し、広島県吉和村に転居する
91年日本で初めて奥山放獣を手がけ、97年以降は韓国と中国でも保全事業に取り組む
現在、特定非営利活動法人、日本ツキノワグマ研究所理事長
この本で最初に驚いたのは熊の越冬生理だ
冬の間 狭く暗い穴に5ヶ月間も飲まず食わずで引き籠って大丈夫なのはなぜ
なのだろう? (私の飲み放題食い放題の3日間の引き籠りとは訳が違う)
クマは6月頃が交尾期であるが11月頃のメス熊は小熊を宿していないという
これは「着床遅延」と呼ばれる繁殖生理で冬眠に入るまで受精卵が子宮内膜に
着床せずに浮遊しており、秋にドングリ類などを食べ脂肪を体内に蓄えると、受
精卵が着床して胎児が育ち始め越冬中の2月中旬に3か月位の未熟状態で出産
するという。(秋の堅果類の餌が不足すると流産してしまうのだろうか?)
これは、活動の活発な夏や冬眠に備え食料を蓄える秋のメス熊の行動を身軽
にし、子供は安全な越冬穴で出産育成するメカニズムの様だ。
著者は生態を観察するためクマに発信器を付け厳冬期冬眠するクマを追い続け
何度か襲われたりしながらも、クマに深い愛情を持っている
「(害獣として)単なる除去論は、21世紀の地球人が目指そうとする野生動物との
共存理念に逆行するものだろう。仙台、広島、札幌。百万都市にクマが棲む国は
日本だけではなかろうか。世界に冠たる日本の自然環境を誇るなら、クマと共存
すべきだ。
クマは日本の宝だということを、われわれ日本人だけが気づいていないのではな
いだろうか。。くま(森)との共生という思想は、縄文以来の日本の伝統文化その
ものではなかったか。」
「被害農家に51%、クマに49%軸足をかけているクマの代弁者」を自認し多く
の有害鳥獣として駆除されたクマを見てきた著者の言葉は重いと思えた。
本書ではクマ出没の長期的要因として
「里山の荒廃」・・・・人家近くまで森が迫り大型獣の生息圏が広がっている
「中山間地域の過疎化高齢化」・・・放棄された果樹園や人気のない農地の餌場化
「狩猟人口の減少と高齢化」・・・春先のクマ狩りなど狩猟圧の低下
「問題クマの増加」・・・荒れた果樹園や観光地での残飯などに慣れ依存
の4つをあげているが
短期的要因としては山の堅果類の豊作不作の他、新しい見解として気象的要因
に注目している。
著書の後半はクマによる人身事故と気圧の関係を丹念に調べ検証し気圧の下が
る前の高気圧時にクマの活動が活発になり事故発生の確率が高まるのではないか
としている。
更に、地方分権により有害鳥獣駆除の許可権限が住民により近い市町村に移っ
たために安易な駆除が増えているのでは無いかと懸念している。
人間の生命に危険を及ぼすようなクマは駆除しなければならないが、スズメバチ
の被害よりも少ないといわれるクマのの被害に対して目撃されれば直ぐに補殺して
しまうのであればあまりにも策がない。
本書の副題「人を襲う異常行動の謎が解けた!」なので気象との関係に力が入っ
ているが、前半のクマを追い求めた記録部分の方が私には面白かった。また、この
副題は出版社が付けたものだろうがいささか羊頭狗肉ではないだろうか。
いずれにしても面白い本だったので前著「ツキノワグマを追って」や「生かして防ぐ
クマの害」等も読んでみたい気になった。
山でクマに会った時の対処法も書いてあった
1:正対してクマの目を見てゆっくり下がる
2:襲ってきたら立ったまま頭部頸部をやられないよう一撃目をかわす。ニ撃目の前
に窪地や岩の隙間木の陰に膝を丸めこんで潜り込む。
3:最後は持てる力で全力で反撃しろ
1以外は出来そうもない
実際、至近距離(5m程)でクマに出会ったことがあるが、足がすくんでただクマを
見つめているだけだった。 ササ藪から突然歩道に現れたクマは私たちを一瞥して
目の前を横切り斜面を登って行った。生きた心地はしなかった。
自分の「引き籠り」と似た冬眠に興味を持って読んだ本
意外に面白かったがまだ外に出る気にならない
気に入って頂けたら ボタンを押して下さい
(追記)
眠れない熊の怖さは、羆風で読みました。
豊かな秋を迎えたヒグマは、お腹を大きくして心地よい?冬眠に入っていけるのですが
秋に十分な食料にありつけない年の冬眠はそうではないのでしょうか?
次の本とその次の本の記事を楽しみにしています。
連休にのんびりされるのも贅沢な感じがしていいですね。
たまにはいいですね。
オイラは幸いにもクマに出会ったことがありあません。
でも今のままではオオカミと同様に絶滅してしまうのではと危惧している一人です。
四国では絶滅したと聞きました。
今の時点で手を打たなければと思いますが・・・何もできないオイラです。
冬篭りにいい本を読まれましたね。
クマと言うと「森のくまさん♪」クマのプーさんetc…とてもかわいらしいイメージがありますが、
実際山で歩いていて、いつどこからクマが現れるか知れないと怖いです。
私も山で小熊に会ったことがありますが、
心臓がバクバクしてしばらく足の震えが止まりませんでした。
クマの生態についてあまり知らなかったので、
フムフム。と興味津々で拝見しました。
やっぱり最後は全力で戦う!んですね(笑)
ヒグマは獰猛な様で大雪山系でも登山者を何日も着けまわすといった様な事があったようですが「羆風」な様な悲惨な事件は他に余り無い様に思います
家計が許すなら自分も冬眠したい気分なのですが
ツキノワグマは九州・四国では絶滅したようです
農業被害を受けている人は絶滅した地域で何か自然界や人間界に不都合があったかと問います
漠然とした不安を感じるのですがこの問いへの良い回答が見つけられません
小熊が居れば必ず近くに母熊が居ます
もっとも危険な状況です
尾瀬で木道に居た小熊をカワイイと撫でようとして母グマに襲われた人がいました
報道では単に尾瀬で熊に襲われたと出たのですが 小熊に手を出したという部分は報道されませんでした
北海道のヒグマは可なり恐ろしいですが本州のツキノワグマは余程のことが無い限り襲われないようです