ジュネーブ

2012-05-29 21:26:57 | 国際会議の通訳
  5月の半ば、11日間、ジュネーブに行ってきた。3回目。ジュネーブは春の会議シーズンで、現地の通訳者は忙しいようだ。秋に会議で東京に行くので、いい懐石料理のレストランを紹介してほしいといわれた。お値段は、考えなくていいそうだ。

 仕事の会議ではNCD(Noncommunicable disease)が大きな議題だった。非感染性慢性疾患。糖尿病、循環器血管系、腎臓、肝臓、がん、うつ病などの精神疾患もすべて入る。数年前は、直訳して「非感染症」では、関係者も分からなくて、「生活習慣病」、「慢性疾患」、「非感染性慢性疾患」と訳していたが、認知は高まって、現在は、「非感染症」でよいようだ。WHOの世界保健総会(WHA、World Health Assembly)の大きな議題でもあり、先進国、途上国を問わず、疾病負担が大きく、高齢化を迎える諸国ではなおさら、頭の痛い問題だ。これまでの急性期の病院中心から、地域医療、公衆衛生が主体となってケアを展開しなければならず、医療の組み換えと、それに伴い、専門職者の教育内容や能力、実践の範囲を変える必要があり、教育、実践だけでなく、制度管理にも影響を与える。今後も、議論を進めていかないといけない課題だ。

 今回は、ジュネーブのWHOを見学できた。職員がいないと見学者は入れないのだが、幸運にも日本人職員が会議に来ていて、案内してもらった。あいにく、土曜日だったので、WHO内のショップは空いていなかった。空いていたら、ペン、ノート、バックなどのグッズをたくさん買ったのに。残念。
 
 下の写真はWHOの玄関と例の蛇に杖の記章。

 これには感動した。通訳のノートテーキングで、ドイツ人のアンチェ先生から教えてもらった「健康」のシンボルがこの「蛇に杖」。その上に斜めに線を引いて「病気」を表す。これは通訳の際のノートの話(メモ取りには「省力化」という原則があり、記号など簡単に多くの意味を含めるものを使う。これはドイツのハイデルベルグ大学のマティセック教授のノートテーキングのメソッド。大東大大学院のときに教えてもらった方法)。

 WHOの会議場の中。テレビに出てくる国連の円形の会議場


 そしてその会議場の上階に並ぶ通訳ブースの外から。


 WHOの玄関部分


 入口


 
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