PTSD

2011-10-06 22:43:01 | 国際会議の通訳
 大学の後期授業が始まった。9月26日から青学で、今週10月3日から大東文化大学だ。今年は震災/原発で、4月の授業開始が大学によってずれ込み、祝日を授業日にする場合も違っていたりと、注意しないといけない。秋は、フリーの仕事の繁忙期でもあり、短い3ヵ月余の間に、たくさんのことを集中してこなさないといけない。


 10月1日(土)早稲田大学で心理学の仕事だった。PTSDに対して、テレヘルスを使った長時間曝露療法(Prolonged Exposure, PE)のエビデンスについてで、無作為試験の結果を示したものだ。テレヘルスPEは対面型PEとほぼ同じ効果があるという。東日本大震災と心の健康についての講演会である。

 アメリカでのPTSDの研究で特徴的なのは、退役軍人に関するものが多いことだ。発生率が高く、重度のケースも多い。幼少期のトラウマ体験もっている場合、またうつ病を併発したりすると、治療が難しくなるという。その他、女性のレイプ被害者、児童虐待など、データが蓄積されている。研究では、これらに比べると、自然災害によるPTSDの発生率は低く、重症に陥るケースも少ないという。

 アメリカの場合、軍隊に入隊する人たちは地方出身者が多く、都市部のセラピストがいる病院まで通って来れない。でも、PTSDについては、早期発見と早期治療がきわめて重要で予後を決定する。そこで、スカイプを用いて治療の成果をあげている。この方法は日本の震災後の東北で使えるのではないかという。

 東日本大震災の被災者については、これまでのところ、PTSDの発生は想定したよりも低かったと、国内ではいわれている。しかし、講演者らは、福島原発関連のストレスが継続していること、住まいが変わり、共同体が崩壊したことなどを考えると、まだまだ安心はできず、注意が必要であるとのことであった。


 PEは認知行動療法の1つだ。PTSDについては、またいつか、もう少し詳しく取り上げる。
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