煮詰めた熱いジャムが冷めてくると粘性が強まりやがてゼリー状に凝固する。このように液状から固体状に固まることをゲル化といい凝固状況をゲルと言います。ゲルはgelatine(ゼラチン)に由来した言葉。ゲルを作るには当然ゲル化剤が必要となり代表的なものにゼラチン、寒天、ペクチン、カラギーナン等があります。暑い夏を迎えて食欲も進まず氷菓やドリンクの量が増える毎日になってきました。この時期、町のお菓子屋さんも焼き菓子、生菓子が売れずに売上で苦労するところです。その中で売れるのはムース、ゼリーの類ですが、どのお店も当然味付けは違うしそのものの固さも違うものです。この冷菓の堅さや食感に影響を及ぼすのがゲル化剤でどのゲル化剤を使うのか難しいところです。先ほどあげた4つのゲル化剤の違いを表にしてみると以下の様になります。
各種ゲル化剤の特性一覧表
品 名 | ゼラチン | ペクチン | 寒天 | カラギーナン |
---|---|---|---|---|
動物系 | 植物系 | 植物系 | 植物系 | |
原 料牛骨・牛皮豚皮柑橘類 りんご・ビート紅藻類 てんぐさ・おごのり紅藻類 つのまた・すぎのり | ||||
カロリー | 約340kcal | なし | なし | なし |
ゼリーの 状 態 |
やわらかい 弾力性がある 粘りがある |
やや弾力がある なめらかである (種類による) |
かたい 弾力がない 砕けやすい |
やややわらかく やや弾力がある (種類による) |
ゲル化の 開始時間 |
15~20℃ | HM60~80℃ LM30~40℃ |
30~40℃ | 30~60℃ |
ゲル化 時 間 |
20℃以下の 冷却が必要 16~18時間で ほぼ安定 |
常温で可、 24時間でほぼ安定 |
常温で可、 5~24時間で ほぼ安定 |
常温ですみやかに ゲル化し、安定 |
ゲル化 溶解温度 |
25~30℃ 濃度により 上下する |
HM80~90℃ LM50~100℃以上 |
85℃以上で溶解 | ゲル化開始より 5~15℃高ければ 溶解 |
溶解方法 | 熱水 | 熱水 | 熱水 | 熱水 |
用 途 | ゼリー・グミ・ ムース・ ヨーグルトなど |
HM: 高濃度ゼリー・ ジャム LM: ババロア ジャムなど |
ようかん・ ところてん・ 杏仁豆腐など |
ゼリー・プリン・ アイスクリームなど |
(株式会社 イシハラ Hpより)
堅さで見ると・・・
水200ml、グラニュー糖40gに対して各ゲル化剤6g添加
寒天 | 食べられない位堅いゼリー | ||||
---|---|---|---|---|---|
粉ゼラチン | 普通のゼリー | ||||
板ゼラチン | 柔らかめのゼリー | ペクチン | 普通のゼリー | カラギーナン | 非常に柔らかいゼリー |
常温(25℃前後)で置いてかたまるのか
寒天 | ガチガチに固まる |
---|---|
粉ゼラチン | 普通に固まる |
板ゼラチン | 固まらない |
ペクチン | ジャム状に固まる |
カラギーナン | 全体に柔らかく固まる |
以上あらかたのようになります。
そこで注目したいのがカラギーナン(アガー)で以下の様な特徴になります。
- 牛乳の成分と一緒になると、ゼリー状に固まる力が高くなる。そのため、牛乳をたっぷり使ったデザートに向く。
- なめらかな口当たりだが、ゼラチンと違って室温でも溶けない。そのため夏場でも安定していて崩れにくいなど、扱いやすい。
- 冷凍しても本来の特性がなくならないので、冷凍デザートにも好適。
- 消化吸収されず、カロリーがないのでダイエットにも向く。
- 粘性や保水性がよい。そのため増粘剤やアイスクリームの安定剤としても利用。
夏場買ったものが家に持って帰ってくると崩れていたということでは問題になります。食感もなめらかだし保形性もいいので一度使ってみてはいかがでしょうか。
ゼラチン・アガー・寒天ってどう違うの?
ゼラチン | アガー | 寒天 | |
![]() |
![]() |
![]() |
|
原材料 | 牛や豚の骨や皮に含まれるコラーゲン(タンパク質の一種) | カラギーナン(海藻の抽出物)、ローカストビーンガム(マメ科の種子の抽出物)などを混合したゲル化剤 | テングサやオゴノリなどの海藻 |
食感 | ぷるぷる、ふわふわ、口溶けがよい | やわらかくふるふる、なめらか | 歯切れよくほろり |
色・透明度 | 透明感のある薄い黄色 | 無色透明 | 白濁 |
相性のよいレシピ | ゼリー、プリン、ムース、ババロア、マシュマロ | ゼリー、プリン、水ようかん | 水ようかん、杏仁豆腐、ところてん |
凝固環境 | 冷蔵 | 常温 | 常温 |
溶解温度 | 50~60℃ | 90℃以上 | 90℃以上 |
凝固温度 | 20℃以下 ※冷蔵庫で冷やし固める |
30〜40℃ ※常温で固まる |
40~50℃ ※常温で固まる |
凝固後の溶解温度 | 25℃以上 ※夏場は室温でも溶ける |
60℃以上 ※常温でも溶けない |
70℃以上 ※常温でも溶けない |
使用量の目安 (液体100mlに対して) |
1~3% 型抜きの場合1.5倍 ※商品により異なります。 |
1~2% |
ようかんの場合:3〜5%
|