炊いたお米と麹菌を混ぜて保温し一晩寝かせると「甘酒」ができます。麹菌がその糖化作用によって一昼夜で甘い液体に変えてしまうことから、古くは「ひと夜酒」とも言われたそう。お酒といってもアルコール分はゼロで子どもでも安心して飲むことができます。
●栄養豊富な健康飲料
麹菌によるでんぷんの糖化作用で砂糖や水飴などの添加物は一切使わずに強い甘味をもつ飲料ができます。この甘味には食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に溶け込んでいます。滋養があるため、昔はおっぱい代わりに赤ん坊にも与えていたとのことで、産後のお見舞いにも甘酒が喜ばれたようです。
またアミノ酸やビタミンB群、ブドウ糖を多く含む甘酒は衰弱した時に病院で受ける点滴とほぼ同じ成分で「飲む点滴」とも言われるほどです。
●発酵パワーで夏バテ防止
味噌、醤油、日本酒など麹による発酵食品は日本人独自の食文化であり、古くから私たちの健康を支えてきました。
酵素が消化を助けて吸収力もアップし、胃腸に優しい食べものへと変えてくれます。お米を麹で発酵させた甘酒も豊富な栄養をさらに消化吸収良く体に取り込むことができます。麹には、血圧を下げる成分、老化を防ぐ成分、ガンを抑制したり記憶力の低下を防ぐ成分など薬効成分が豊富に含まれているとされ、生活習慣病の改善効果も期待できます。
甘酒というと冬の飲料としてのイメージがありますが、江戸時代にはエアコンも冷蔵庫もない過酷な夏を乗り切る夏バテ対策として庶民は冷やした甘酒を好んで飲んだようで、甘酒は夏の季語になっています。
栄養相談ではこのような身体づくりに役立つ食材の紹介や料理法などもお伝えしています。
次回の栄養・遺伝セミナーは9月15日(土)15時~開催いたします。
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