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食のチカラ#12 高野豆腐



高野豆腐は、高野山の禅僧たちによって作られ、精進料理の普及とともにその名が広まった日本古来の保存食です。大豆を原料とした硬い豆腐を薄切りにして、寒気で凍らせ、天日で乾かすと豆腐の干物「高野豆腐」ができることから、地域によって凍み豆腐、凍り豆腐とも呼ばれます。

●消化に優れた良質のたんぱく源
畑の肉といわれる大豆が原料で必須アミノ酸のバランスがよく人の乳に近い状態であるといわれます。また栄養価が高くたんぱく質を50%も含みます。100g中のたんぱく質が牛肉で20g、鶏肉で15gほどですから動物性たんぱく質と比較しても遜色ありません。
しかもこのたんぱく質は非常に消化に優れています。大豆は本来消化があまり良くない食品ですが、豆腐にして凍結、乾燥すると消化吸収力が格段に良くなります。

●女性の健康を支える栄養がいっぱい
大豆イソフラボン、カルシウム、マグネシウム、鉄、ビタミンE、亜鉛などを豊富に含み栄養の宝庫ともいえます。
なかでもカルシウムは牛乳の6倍でカルシウムの吸収率を高めるたんぱく質と骨への沈着を助けるビタミンDも豊富です。骨を強化する最高のバランス食ともいえるでしょう。
また大豆イソフラボンは骨からのカルシウムの溶出を抑えて、骨密度(骨のカルシウム密度)をより正常に近い状態に保つ働きとともに、女性ホルモンの分泌低下によるさまざまな心身の不調を和らげる効果があるとされます。

●ダイオキシンの排出効果
ダイオキシン類は魚類、乳・乳製品、食肉類などの食品を通してその摂取量の86%以上が体内に蓄積するとされ、動物実験では、母体の汚染で流産したり、子に奇形や生殖機能異常といった影響を与える物質とされています。またダイオキシンに代表される環境ホルモンは生殖能力に少なからず影響を与えると警鐘が鳴らされています。高野豆腐はこのダイオキシンの体外への排出効果と肝臓への蓄積抑制効果に優れた食品であると報告されています。

良質の大豆とにがりを使い、できるだけ膨軟剤などを使わない手間暇かけて作られたものを選ぶことをおすすめします。また脂質が多く含まれるため、できるだけ日光や空気に触れないよう冷暗所に保管しましょう。

栄養相談ではこのような身体づくりに役立つ食材の紹介や料理法などもお伝えしています。
次回の栄養・遺伝セミナーは12月22日(土)15時~開催いたします。
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