昨年末に3枚に卸して真空パックで冷凍保管していためんめ。
めんめとは道東地方の呼び名で、親戚のおばちゃんが送って来てくれる時には、かならずこの名前で送ってくれます。
同じ北海道でも道東以外ではきんきなんて呼ばれますね。
最近では東京でもきんきの呼び名が使われるようになりましたが、まだまだ全国では赤魚なんて呼ばれたりしてるんじゃ無いかしら?
赤魚って固有名詞を持つ魚って実はいないんですけどね。
脂の載っためんめ、肉厚です。
実はめんめを3枚に卸す時に、大失敗をしてたんです。
その失敗とは・・・
鱗を取るのを忘れました。
卸す作業の時に、めんめの鰭(ひれ)に気を取られて、鰭を切り落とした段階で手順をひとつ飛ばしています。
なにしろこの魚の鰭って鋭いんです。
背鰭、腹鰭、胸鰭と、どの鰭も針のような鋭さ。
あらま鱗が付いたままだよ。
という訳で、調理前の下ごしらえから作業する事になりました。
気づかずにこのまま調理してたら大変な事になってたね。
まずは鱗落としでひっかきます。
水道の水を少しずつ当てながら作業すると、鱗が飛び散りません。
勿論、作業が終わったらすぐに水を拭き取ってやります。
続いて骨を外します。
腹骨はすき取ってあったのですが、まだ血合い骨が残っていました。
大した本数では無いので、骨抜きを使って1本ずつ抜いて行きます。
これで魚が軟体動物になりました(笑)
続いて霜降り。
霜降りとは魚にお湯をかけてやる、またはお湯の中に通す作業のことです。
湯引きと作業は似ているのですが、湯引きは刺身などに使われる技法の事で、本当にさっとお湯をかけたら即座に冷水で冷やしてやります。
どちらの作業もお湯をかけてやる事に変わりは無いのですが、お湯をかける量と時間が少しだけ異なります。
このひと手間を加えてやるだけで、魚の取り切れていなかった細かい鱗、そして表面に残った最後の臭みを取ってあげるんですね。
でも、めんめに限った事では無いのですが、皮が付いたままの魚でこの作業をすると、写真のように身が丸まってしまいます。
せっかくの料理の見た目を損ねてしまいますね。
細工包丁を使いました。
皮の部分に薄く包丁を当ててやるだけで、丸まっていた身が伸びて平らになりました。
これなら見た目も良い感じ。
そしてこの日は最後にもう一度だけ1時間ほど熟成します。
解凍が終わった事や、鱗取りで水分が残っていると勿体ない。
最後の熟成が終わっためんめをフライパンに並べます。
ここからの作業は早いですよ。
まずは魚の半分が浸かる程度に、日本酒と味醂を1対1の割合で入れてやります。
まずは強火で酒と味醂を沸かしたら、後は中火にして落し蓋。
生姜を入れたい人は、このタイミングで入れてあげて下さい。
落し蓋はキッチンペーパーなどが良い仕事をしてくれます。
魚の表面部分にも酒と味醂が回ってくれますからね。
一緒に煮込んでいるのはスライスした生姜と菜の花の太い茎の部分。
どちらも煮付けのタレで仕上げてやると、とっても美味しい食材です、
中火で2分ほど煮てやったら落し蓋を外します。
ここで最後に醤油と菜の花の葉の部分を投入。
醤油はほとんど回し入れてやる程度。
1分ほど煮詰めたら完成です。
醤油の香りが飛ばない内に火からおろしてやって下さいね。
めんめの煮付け。
脂が載っていて本当に美味しい。
魚の臭みも、食べ辛い骨も無く、締まっているのに柔らかい身が口の中で蕩けます。
魚の調理は刺身、焼き、煮付けなどがありますが、昔の人は魚に合った美味しい調理法をよくご存知ですね。
世界中から来る観光客が日本食を絶賛する理由は、まさに先人から引き継がれた調理法のお陰です。
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