1月17日(日) 「冬の標」(乙川優三郎著)
幕末、小藩の大番頭の娘・明世は南画の自由な世界に魅せられるが、世間の仕来りは女子が絵を描くことを許さない。結婚して夫と姑に仕えることを強いられた二十年を経て、明世はついに自らの情熱を追う決心をする―封建の世に真の自立の道を歩もうとする一人の女性の、凄まじい葛藤と成長を描いた感動長編。
またまた乙川優三郎の世界にはまった。単行本で読んだが、文庫本の表紙と異なってる。
1月19日(火) 「あなたを選んでくれるもの」(ミランダ・ジュライ著)
朝日新聞<自分が他ならぬ自分である奇跡>と紹介されていた(2015/10/4)
映画の脚本執筆に行き詰まった著者は、フリーペーパーに売買広告を出す人々を訪ね、話を聞いてみることにした。革ジャン。オタマジャクシ。手製のアート作品。見知らぬ人の家族写真。それぞれの「もの」が、ひとりひとりの生活が、訴えかけてきたこととは―。アメリカの片隅で同じ時代を生きる、ひとりひとりの、忘れがたい輝き。胸を打つインタビュー集。
パフォーマンス・アーティストとして活躍。97年からは映画製作も開始し、脚本・監督・主演を務めた初の長篇映画『君とボクの虹色の世界』が2005年のカンヌ国際映画祭でカメラ・ドール(新人監督賞)を受賞、大きな注目を浴びる。
『あなたを選んでくれるもの』を最初に読み始めたのだが、意味不明の短編集で断念した。小説ではない変わった本!
1月23日(土) 「武士の娘」(内田義雄著)
本書の主人公・杉本鉞子は、戊辰戦争で河井継之助と藩政をめぐり対立した長岡藩筆頭家老の娘。明治維新後、東京で教育を受け、結婚のため海を渡ったが、夫との早すぎる死別を体験する。しかし、鉞子はたよるべき人のいないアメリカで二人の娘をかかえて生きてゆくことを決意する。彼女のよき理解者、フローレンス・ウイルソンの協力を得て、1925年(大正14年)、無名の日本人女性が英語で書き下ろした自伝的小説『武士の娘』がアメリカで刊行され、その年のベストセラーとなった。ところが、『武士の娘』は戦前に日本語訳がでたあとでも母国ではごく一部の人たちにしか知られてこなかった。あの司馬遼太郎でさえその存在を知らず、賛辞を送ったのは、アメリカで出版されてから42年後のことであった。杉本鉞子の数奇な生涯を描くノンフィクション。
1月29日(金) 「国を救った数学少女」(ヨナス・ヨナソン著)
爆弾はだれのもの―?わけあって原子力研究所で掃除婦として働く南アフリカ出身の天才数学少女ノンベコは、余った爆弾をたまたま手に入れてしまったから、さぁ大変!しかも、爆弾をめぐって出会うのは、どこかふつうじゃない人ばかり。瓜二つなのに似てない双子、自称すご腕のイスラエル諜報員、不法滞在の中国人3姉妹、さらにはスウェーデン国王や首相まで巻きこんで、てんやわんやの大騒動。『窓から逃げた100歳老人』に続く、メガトン級コメディ第2弾!
図書館で見つけた本です。タイトルと前作窓から逃げた100歳老人』を読んでいたので借りてみた。かなりの長編です。
2月5日(金) 「フリーダム」(ジョナサン・フランゼン著)
パティとウォルターのバーグランド夫妻は、ミネソタ州セントポールの善き住人だった。てきぱきとして愛想がよく、理想的な母親と見えるパティ。柔和で環境保護活動に熱心なウォルター。二人の子供とともに、夫妻は幸せな世界を築き上げようとしているかのようだった。しかし、二十一世紀に入ったころ、バーグランド夫妻にはいぶかしげな眼差しが向けられていた。なぜ夫妻の息子は共和党支持の隣家に移り住んだのか?なぜウォルターは石炭業界関連の仕事に就いたのか?ウォルターの親友リチャード・カッツとは何者か?そして―なぜパティはあんなに怒りに満ちた人間になってしまったのか?現代アメリカを代表する作家ジョナサン・フランゼンが雄弁な筆で描き上げる、よりよく生きようともがく人間たちの苦しみと喜び。皮肉と感動に満ちた世界的ベストセラー。
図書館で見つけた本です。前作『コレクションズ』を読んでいたので借りてみた。前作同様かなりの長編で疲れました。
2月10日(水) 「戦場のコックたち」(深緑野分著)
朝日新聞のエンタメで紹介されていた<謎を解き戦争の悲劇に迫る>(2015/9/20)
1944年6月、ノルマンディー上陸作戦が僕らの初陣だった。特技兵(コック)でも銃は持つが、主な武器はナイフとフライパンだ。新兵ティムは、冷静沈着なリーダーのエド、お調子者のディエゴ、調達の名人ライナスらとともに、度々戦場や基地で奇妙な事件に遭遇する。不思議な謎を見事に解き明かすのは、普段はおとなしいエドだった。忽然と消え失せた600箱の粉末卵の謎、オランダの民家で起きた夫婦怪死事件など、戦場の「日常の謎」を連作形式で描く、青春ミステリ長編。
短編集『オーブランの少女』も気になるし、次の作品が待たれる。
2月14日(日) 「ムシュ 小さな英雄の物語」(キルメン・ウリベ著)
朝日新聞に紹介されていた<移民や難民支えた庶民たちの叙事詩>(2016/1/31)
スペイン内戦下、バスクから疎開した少女を引き取ったベルギーの若者ロベール・ムシェ。その出会いが、彼の人生を思わぬ方向へと導いていく…。それから70年近くを経て、バスクの作家によって見いだされた、無名の英雄をめぐる心揺さぶる物語。
ノンフィクション的な記述と小説的な語りとのあいだを行き来して、ムシェとその周辺の人々を鮮やかに蘇らせてみせる。
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