窪/美澄
1965年、東京都生まれ。短大中退後、さまざまなアルバイトを経て、広告制作会社に勤務。出産後、フリーの編集ライターに。2009年「ミクマリ」で女による女のためのR‐18文学賞大賞を受賞。2010年、受賞作を所収した『ふがいない僕は空を見た』が、「本の雑誌」が選ぶ2010年度ベスト10第一位、2011年本屋大賞第二位に選ばれるなど絶大な支持を集める。翌2011年、同書で山本周五郎賞を受賞。
6月28日(金) アニバーサリー (新潮社)
子どもは育つ。こんな、終わりかけた世界でも。
七十代にして現役、マタニティスイミング教師の晶子。家族愛から遠ざかって育ち、望まぬ子を宿したカメラマンの真菜。全く違う人生が震災の夜に交差したなら、それは二人の記念日になる。食べる、働く、育てる、生きぬく――戦前から現代まで、女性たちの生きかたを丹念に追うことで、大切なものを教えてくれる感動長編。
7月6日(土) クラウドクラスターを愛する方法 (朝日新聞出版) *クラウドクラスター=積乱雲(入道雲)の大きなかたまり
「輝くような人生の流れに乗るためのボートは、どこにあるんだろう」。 誕生日を間近に控えた大晦日の朝、3年間一緒に暮らした彼が出て行った。 その原因は…… <ふと、気づくのだ。自分はただ、帰れる家がほしかったんだ、ということに。>
家族であること、家族になることを問いかけた作品でした。「大晦日の朝、三年間いっしょに暮らしていた向井くんが出て行った」、キャッチアンドリリースでは、「子どものいる夫婦がね、ひとっことも口きかなくなって、目も合わせなくなったら、だいたい短くて一年、長くて三年くらいで別れるんだって。だから光の家も、あと少しの我慢なんじゃない? ま、うちの場合、最後まで仲良くしゃべってたのに、結局、別れちゃったけどね」 いずれの始まりもギクッとする言葉から始まった。
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