やまさんのエンジョイ生活 Ver.2

趣味の登山、映画鑑賞、読書を日記風に紹介してます。

雨の土日に見た映画2作品

2013-07-07 | 映画

7月6日(土)       「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」

   

 マドンナが、“世紀のスキャンダル”と騒がれた英国王エドワード8世と既婚女性ウォリスの恋の顛末を女性の視点から描き出した監督第2作。結婚生活に悩む現代の女性が、次第にウォリスとエドワードの恋に自らの気持ちを重ね合わせていくさまを、華麗な衣装・美術とこだわりの映像美で綴る。主演はアビー・コーニッシュとアンドレア・ライズブロー。1998年のニューヨーク。分析医の夫と誰もが羨む結婚生活を送るウォリーだったが、子どもを望まない夫との溝は深まるばかり。そんな中、かつての職場でもあるサザビーズで開かれるエドワードとウォリスの遺品オークションの内覧会場へと足を運んだウォリーは、その品々に魅せられ、次第にウォリスの人生に強く惹かれていくが…。

 『E.T.』ならぬ『W.E.』は、昨年ロンドンを中心に撮影され、今年の暮れまたは年明けに公開を予定しているマドンナの新作映画。
シンプルなタイトルは「Wallis」と「Edward」の頭文字からとられ、2人の恋をテーマにしている。リサーチに3年を費やしたマドンナは、「エドワード8世という1人の男性が、愛する女性のために王冠を捨てた理由を探っているうちにハマッてしまった。とにかく真相を突き止めたくなった」と映画制作に踏み切った理由を語っている。また、「これまで、ひどい中傷をされてきたウォリスの汚名を挽回する時がきた」とし、映画の中のウォリスは情熱的なヒロインとして、クイーン・マザーが意地悪な義妹として描かれている。自身がアメリカから英国に移住し、疎外感を味わったことのあるマドンナは、セレブとして英国の社交界で生き抜くという点で、ウォリスに深い共感を抱いたようだ。
9月上旬にベネチア映画祭でプレミア上映された同作は、賛否両論の評価を受け、とくに英国のメディアからは「予想よりは良くできていたが、面白いシーンがまったくない」「衣装がきれいなだけの見せかけの映画」などと酷評を受けてしまったが、上映後のマドンナは「自信作」と笑顔を見せた。ちなみに、今年のアカデミー賞受賞作『英国王のスピーチ』が公開された際、マドンナは似たような映画になるのではと懸念したが、「まったく違う視点で描かれた映画だった」と胸をなでおろし、むしろ同作が成功を収めたことで注目を集めることに期待を寄せるようになったという。

 

7月7日(日)       「ミステリーズ 運命のリスボン」

    

 『三つの人生とたった一つの死』などの巨匠ラウル・ルイスが監督を務め、ポルトガルの文豪カミロ・カステロ・ブランコの小説を映画化したミステリー。19世紀、動乱期のヨーロッパを舞台に、ある少年の出生の秘密をたどりつつ激情や野心に駆り立てられた人々との出会いを映し出す。4時間半の壮大な物語をつむぐのは、『美しき棘』のレア・セドゥーや、『ゼロ時間の謎』のメルヴィル・プポー。豪華で絵画のように美しい幻想的世界に魅了される。
 
 19世紀前半、王政派とリベラル派による内戦が勃発していたポルトガル王国で、名字のない14歳の少年ジョアンはすくすくと育っていた。彼はディニス神父(アドリアーノ・ルース)に保護され、孤児院で暮らしている。ある日、ついにジョアンは今は伯爵夫人となった実母のアンジェラ(マリア・ジョアン・バストス)と念願の対面を果たすが……。

 4時間半の長尺、気宇壮大なドラマだ。多くのエピソードが積み重ねられる。ひとつひとつの話は、男と女の葛藤や親子の相克、人間の欲望や、怨みや嫉妬による復讐などの人間関係が絡んだ、いたってシンプルなものである。いわば、大河ドラマの断片を、あちこちに散りばめたかのよう。何人かの人物が、自らの出生の秘密を語り、他人の出生の秘密を語る。語ることで、過去の出来事が、フラッシュバックされていく。

 原作は、日本ではまだ翻訳されていないが、ポルトガルのバルザックと言われているカミロ・カステロ・ブランコの自伝的色彩の濃い長編小説。めくるめくような映画の時間が流れる。上映時間はちと長いが、人間の業ともいえる愛憎に満ちたドラマだ。じっくり、ゆったり、見てほしい。

      

           

 



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