やまさんのエンジョイ生活 Ver.2

趣味の登山、映画鑑賞、読書を日記風に紹介してます。

春江一也の本

2014-02-12 | 読書

1月26日(日)          「プラハの春」

           521p

   1967年3月、プラハ。チェコスロバキアは共産主義の抑圧から脱し、経済改革と自由化への気運を高めつつあった。そのさなか、堀江亮介はビーナスのようなカテリーナ・グレーベと出会った。だが、亮介は日本国大使館員、カテリーナは東ドイツ人の反体制活動家。東西対立の最前線の地では、禁断の愛だった―現役外交官が自らの体験をもとに描いた、国際ラブ・ロマン。

           555p

   1968年4月、プラハ。カテリーナがナビゲータを務める国際放送番組『ミレナとワインを』のオン・エアが開始された。反響の大きさに周辺諸国は警戒を強める。この一件が引き金になり「プラハの春」も、亮介とカテリーナの愛も、破局へのカウントダウンを刻みはじめる―時代の奔流に呑み込まれ、歴史の闇に葬られた、美しくも哀しい愛。

 

2月11日(火)          「ベルリンの秋」

      465p 

  「プラハの春」から半年後。外交官・堀江亮介は、初恋の人「リョウ」への想いから失語症になったシルビアと再会。言葉を取り戻した少女を「もう逢えない」と突き放す。帰国後結婚した亮介だが、五年後シルビアの住むDDRへ赴任することに―。一方、ソ連崩壊を予測する秘密報告をめぐり東西両陣営では様々な憶測が飛び交っていた。東独を舞台にした国際政治サスペンス、哀切なラブロマンス。

      459p

  国際的なマヌカンを夢見るシルビアは、亮介との関係からスパイ容疑をかけられ、出国査証を拒否される。やむなく不法に「壁」を越えようとして失敗、将来への希望を絶たれて思い悩む。一方、DDR国家元首ホーネッカーはイデオロギーの引き締めに乗り出すが、歴史の潮流の中でDDR破滅の筋書も確実に動きだしていた。亮介とシルビアの愛のゆくえは?そして「壁」を突き崩す壮大な陰謀とは。

 

2月14日(金)          「ウイーンの冬」

    

  青年外交官として華々しく活動したこともあった堀江亮介だが、年を経て在外勤務から帰国。待っていたのは社団法人への出向辞令だった。外務省からリストラされ、屈託した日々を過ごす亮介に、突如ウィーンへの出張という話が舞い込む。東西冷戦が終焉したばかりの「魔都」ウィーンには、いまや国際的な陰謀が渦巻いている。突然の展開をいぶかる亮介がさぐる「出張」の目的とは何か。

    

  東西文化の交差点ウィーンでは、北朝鮮やCIA工作員をはじめとして、核兵器を入手する武器商人やテロリスト、さらに日本のカルト教団も進出して複雑にネットワークを張り巡らせていた。その網の中で、恋人シルビアを失った堀江亮介は一人もがきながらも、不穏な動きを見せるカルト教団に接触していく。だが、亮介の想像をはるかに超えた勢力が世界崩壊のハルマゲドンを計画していた―。

  1968年、「プラハの春」から八月にかけて。忘れ得ない日々をともにしたチェコスロバキアの人々を追想し……、また人生の苦境と試練のとき励ましてくださった多くの方々に感謝し……、そしてE・Gに捧げる。(「プラハの春」巻頭)

 『プラハの春』を読んでくださった多くの読者の皆様にシルビアと亮介のその後を物語り……、共産党独裁の抑圧から逃れるため「ベルリンの壁」を越えようとして、国境警備兵に狙撃され非命に倒れた人々のご冥福を祈り……、忍耐と絶えざる励ましをいただいた方々に感謝し……、わが最愛のエルケに、そしてわが息子に捧げる。(「ベルリンの秋」巻頭)

 最初の2作品は量もあり、読み応えがあった。巻頭の太字の部分が何とも気になる。「ウィーンの冬」は、亮介や時代は先へ進むが中身はちょっとがっかり。上巻の最後になってシルビアが病気でなくなる形での登場にも驚く。

 

 



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