ガザ・パレスチナと共に生きる 白杖記

ガザ民間人を「無差別殺りく」 イスラエル兵が証言

◆◆12/15~12/21記事◆◆

 

◆12/15(日) 在アイルランド大使館閉鎖 イスラエル外相が発表(共同通信) 
 15日、アイルランドの首都ダブリンにあるイスラエル大使館を閉鎖した。アイルランドが「極端に反イスラエルの政策を取ったため」としている。アイルランドは5月、パレスチナを国家承認していた。欧州では他に、スペインとノルウェーが同時期にパレスチナを国家承認した。

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◆12/16(月) ガザ取材のジャーナリスト、イスラエル攻撃で次々に死亡 「組織的殺害」とアルジャジーラ非難(CNN)
 今回の戦争が始まって以来、パレスチナ自治区ガザとヨルダン川西岸地区、イスラエル、レバノンで死亡したジャーナリストは137人に上る。うち129人はパレスチナ人だった。
 15日にはガザ北部のベイトハヌーンでも住民が避難していた学校がイスラエルに空爆され、15人が死亡した。この学校には約1500人が身を寄せていたといい、イスラエルの激しい空爆によって火災が発生した。ガザ中部のデイルアルバラではテントが攻撃されて4人が死亡、ガザ市東部では民家が攻撃されて6人が死亡。南部ハンユニスでは12人が死亡したと同地の病院は伝えている。

◆12/16(月) イスラエル軍がガザで空爆・地上攻撃、記者含む数十人死亡(ロイター) 
 15日、軍の攻撃で記者や救急隊員を含む53人が死亡した。ガザ中部ヌセイラトでは救急センターが空爆を受け、中東のテレビ局アルジャジーラの記者1人を含む6人が死亡した。死亡した記者は当時、勤務中だった。軍は死亡した記者はイスラム聖戦のメンバーだったとしているが、証拠は示していない。北部ガザ市では住宅への空爆で11人が死亡。また、南部ハンユニスでは避難所が空爆を受け、女性や子どもを含む20人が死亡した。北部ベイトハヌーンでは、軍は避難所になっている学校を包囲した後に襲撃し、ガザ市に向かうよう命じた。この襲撃で数人が死傷し、多くの男性が軍に拘束されたと述べた。

◆12/16(月) ガザ各地をイスラエル空爆、40人死亡 民間防衛隊発表(AFP=時事)
  ガザ地区各地で15日、軍の空爆が相次ぎ、40人が死亡した。犠牲者には複数の子どもやアルジャジーラのカメラマン、3人の救助隊員が含まれている。 アルジャジーラはイスラエルはガザで、同局の従業員を組織的に標的にしていると非難している。
アルジャジーラのジャーナリストが殺害されたのはロウ氏で5人目。

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◆12/17(火) イスラエル軍がガザ空爆、少なくとも14人死亡=医療関係者(ロイター) 
 軍は17日、ガザ各地を攻撃し、14人が死亡した。ガザ市郊外のダラジの住宅が空爆され、10人が死亡した。ガザ市とガザ地区北部のベイトラヒヤも空爆を受け、合わせて4人が死亡した。ラファでは、軍の戦車が人道支援地域であるマワシ地区西部に向けてさらに侵入した。

◆12/17(火) ガザ停戦合意「かつてなく近い」 イスラエル国防相が見通し(時事通信) 
 カッツ国防相は16日、ハマスとの停戦や人質解放を巡る交渉に関し、一時休戦が実現した昨年11月以降、「人質解放合意にこれほど近かったことはない」と述べ、妥結が近いとの認識を示した。カッツ氏は17日、ハマス打倒後も「完全な行動の自由」の下でイスラエル軍がガザでの治安管理を担う考えを強調した。イスラエルは仲介国カタールとの実務協議に臨み、隔たりを埋めるため、ドーハに滞在中という。 
 ーハに拠点を置くハマス幹部も「人質交換と停戦の取引がかつてなく近づいている」と発言。「もしネタニヤフ首相が過去にやったように合意の邪魔をしなければだ」と付け加えた。ただ、同幹部は「完全かつ永続的な停戦や、ガザからの軍の撤退なども要求する」と従来の強硬姿勢も崩さなかった。

◆12/17(火) イスラエル交渉団、ドーハ入り 仲介のカタールと実務者協議へ(ロイター)
 イスラエルの交渉団が、停戦と人質解放を巡る「残された問題」について、仲介役カタール側と実務者協議を行うためドーハ入りした。協議は現在、バイデン米大統領が5月31日に提案した合意についての溝を埋めることに焦点が当てられている。

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◆12/18(水) ガザ停戦交渉、本格化の兆し 楽観論の一方、懐疑的見方も(時事通信) 
 17日、交渉で大きな進展が見られ、1カ月以内に合意する可能性がある。 だが、ハマスには合意が恒久停戦につながらないことへの懸念が強い。3段階から成る停戦案の第1段階は40〜60日とされるが、来年1月20日にトランプ次期米大統領が就任すれば、人質の一部が解放される第1段階の終了後、すぐにネタニヤフ首相に軍事行動再開を認めるのではないかとハマスは警戒。
 ネタニヤフ氏が仲介国エジプトの首都カイロに向け出発したに対して、首相府の報道官はこれを否定した。イスラエルは「ハマスは妥結させたいとの意志があり、事態は好転している。しかし、依然として大きな隔たりがある」と述べた。同国のカッツ国防相は16日、「人質解放合意にこれほど近づいたことはない」と表明したが、当局者の一人はこの発言を「国民に間違った希望を与える」と批判した。
 ハマスは17日、イスラエルが「新たな条件を付けなければ」停戦合意は可能だと主張した。ハマス幹部ハリル・ハイヤ氏らの交渉団が19日、生存する人質の情報を伝えるためカイロを訪れるとも報じられているが、交渉進展につながるかは不透明だ。 

◆12/18(水) ガザ停戦合意へ取り組み続く、イスラエルの空爆で20人死亡(ロイター) 
 18日、仲介者は合意の条項の大部分で主張の隔たりを縮めたが、イスラエルが新たに案した条件については、ハマスが拒否した。米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は同日、カタールでムハンマド首相と会談し、相違点解消の協議する。

◆12/18(水) 「国際政治で解決を」 パレスチナ自治政府シュタイエ前首相が会見(毎日新聞) 
 パレスチナ自治政府の2019年から24年3月まで首相を務め、アッバス議長に次ぐ同政府のナンバー2のシュタイエ前首相が18日、東京都内の日本記者クラブで記者会見した。「我々の望みは一日も早く虐殺を止めてほしいだけだ」と訴え、国際社会の協力を求めた。
「(停戦交渉が)あと少しのところまできている」「シリアには約40万人のパレスチナ難民が住んでいる、市民の意思が反映される民主的なシリアになってほしい」と話した。

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◆12/19(木) ガザ空爆で41人死亡、停戦合意へ調停続く(ロイター) 
 軍は19日も攻撃を続け、ガザ市などで41人が死亡した。交渉が長引けば長引くほど、ガザにさらに多くの破壊と死がもたらされる。

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◆12/20(金) ガザ交渉で高官協議 ハマス軟化も詰めの作業残る イスラエル首相(時事通信) 
 停戦交渉に関連し、ネタニヤフ首相が19日に高官協議を開く。仲介役を通じた間接交渉の活発化を受け、人質解放実現に向けた戦略を練るとみられる。高官協議にはカッツ国防相やデルメル戦略問題相らが参加する。交渉に関与する高官の人数を限定し、内容を外部に漏らさないよう指示。停戦に反対してきた連立政権内の極右勢力が圧力を強めないようにするための措置とされる。
 停戦交渉は、米国のバーンズ中央情報局(CIA)長官が18日に、カタールのムハンマド首相兼外相との協議のためドーハに到着した。ハマス側に一定程度の態度の軟化が見られると語った。ただ、ハマスが解放する人質の人数や釈放するパレスチナ囚人の数など、詰めるべき事柄が残っている。サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は18日、交渉妥結は近い、仲介国のほか、当事者の努力で実現可能だと歩み寄りの必要性を強調した。
 ハマスはこれまで、軍のガザ完全撤退を強硬に主張してきたが、最近では「フィラデルフィ回廊」などへの一時的な駐留を容認する姿勢に転換したが、イスラエルはボールはハマスの側にあると交渉妥結はハマス次第とした。

◆12/20(金) ガザ停戦巡り会談 パレスチナ議長とエジプト大統領(時事通信) 
 アッバス議長は19日、首都カイロ郊外の新行政首都でシシ大統領と会談した。両氏は即時かつ長期的な停戦やイスラエル軍の撤退に向けた共同の取り組みについて議論した。新行政首都では19日、エジプトやトルコ、イランの首脳らが参加する経済協力会議が開かれ、ガザ・レバノン情勢に関する特別会合で、アッバス氏はイスラエルを名指しして「国際法違反の責任」を追及する必要性を訴えた。 

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◆12/21(土) ガザ民間人を「無差別殺りく」 イスラエル兵が証言 同国有力紙(AFP) 
 ハーレツ紙は、軍は「武装勢力200人を殺害したと発表したが、実際に「ハマス工作員と確認できたのは10人しかいなかった」との将校の話を報道。指揮官らは、ネツァリム回廊で武器を持たない女性や子ども、男性を殺害するように命じた。兵士らは、ネツァリム回廊への「侵入者には誰彼構わず」発砲せよとの命令を受けたと証言している。
 ある兵士によれば、大隊長が「境界線を越える者は全員テロリストだ。例外はない。民間人などいない。誰もがテロリストだ」と述べたという。師団長らは「権限を拡大」され、これまでは軍幹部の承認が必要だった建物の爆破や空爆を実施できるようになったとも兵士らは証言している。
 ガザ地区で戦闘に参加している匿名の兵士らが、同地区を南北に分ける「ネツァリム回廊」でパレスチナ民間人に対する「無差別殺りく」が行われていると証言した。
 兵士や将校、予備役の話として、師団長らがガザで作戦を実施する前例のない権限を与えられている。
 ハーレツの取材に応じた兵士の多くは、ネツァリム回廊を担当する第252師団の長に今夏就任したイェファダ・バッハ准将の名前を挙げている。バッハ准将は、イスラエルが占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸のユダヤ人入植地キリヤットアルバ生まれ。兵士の一人は、バッハ准将の「世界観と政治的立場が、作戦上の決定を左右していたのは明らかだ」と指摘。別の兵士は、バッハ准将が「ガザに罪なき市民はいない」と断言したと語っている。ネツァリム回廊は、イスラエルと地中海を結ぶ幅7キロの回廊で、軍事作戦区域となっている。
 イスラエル兵らは、「この戦争の実態がどのようなものか、ガザでの一部の将兵による重大な行為について、イスラエル国民は知る必要がある」「われわれが目撃している非人道的な光景を国民は知る必要がある」と主張しているという。(c)AFP 軍は20日、この報道内容を否定した。

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