イスラエルのガザへの攻撃は激しく続いている。だが、ガザのニュースは消えてしまった。12月4日もガザ中部のハンユニスや、人道的避難地域に指定されているマワシ地区への一晩中の攻撃が続いた。福岡市で闘病中の友人のガザに住む息子たちはハンユニスに逃げてきている。12月4日の攻撃に、いつでもすぐに逃げ出せるように、生活必需品のみの荷物を抱えて、一睡もできなかったと言っていたそうだ。
安全な場所に逃げればいいのに、と思われるかもしれない。しかし、安全な場所などガザにはない。逃げ込む場所もない。ガザはイスラエルによって封鎖されている。爆撃が始まれば、ひたすら自分が今いる場所に、ミサイルが命中しないことを祈りながら、うずくまって耐えるしかない。いつ逃げ出すのか。この判断は、何のこともない、攻撃してくるイスラエルの「情報」に頼る以外ないのだ。それは、イスラエルのばらまくチラシだ。
このチラシは、空からイスラエル軍がバラまく「避難命令」のチラシだ。以前に、彼らがこのチラシをメールの写真で送ってきてくれた。ガザの町が細かく番号が付けられた地図だ。私にはわからないが、ガザの人たちが見れば、自分が今避難している地域の番号がわかり、イスラエルが避難命令を出している地域の番号が分かる。この地図を見て、まだ自分の避難している地域は安全だとか、攻撃が近くなったから逃げようなどと判断するらしい。それは一緒に避難している人たちと相談して決めるようだ。おかしな話だ。ミサイルで攻撃してくるいイスラエルの情報が自分たちの命綱なのだから。しかし、この命綱は、果たして信用できるのだろうか。
この夜は荷物を抱えてうずくまり、一睡もしなかったが、ミサイルは命中しなかった。生き延びたのだ。これがガザの日常だ。
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