On The Road

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2010-01-04 08:52:31 | OnTheRoad第2章
中学生が通りはじめるまでに、僕はたまたま通った感じのオバサンたちにこだいふくを六こ渡した。デパートの袋をさげたオバサンは、全然キョーミなさそうに、でも当然って顔でこだいふくを受け取った。
僕の家より駅に近い、新しい住宅地に住んでいる人たちだと思った。クリスマスのイルミネーションを飾っていた家のホームパーティをちょっと思い出した。

中学生はお客さんになってくれそうにないけど、中学生にも声をかけた。部活帰りの中学生が帰るには早いから、こだいふくに飛びついてくる子はいない。
でも、グループで通る子たちは誰かが手を出してくれればみんなが食べてくれた。みんなの中心になっている子を探して声をかけると、うまくいくことがわかった。

昨日のカップルは手はつないでないけど、今日も仲良く寄り添うようにして通った。僕は女の子のほうに声をかけた。男の子はすこしムッとした顔になったけど、肩までの髪の女の子が「見て、カワイクない?」と言うので、彼女の手のひらに載った2つのこだいふくを見た。


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