サトウさんはアキトシさんに子供の頃から和菓子の作り方を教えたのだそうだ。親のヒイキ目もあるけど、なかなかスジがよかったんだ、とサトウさんは懐かしそうに笑った。
アキトシさんは高校の普通科を出て大学進学を希望した。なでしこがもっと儲かるように経営を学びたかったようだ。
大学生になったアキトシさんはすこし店の経営に口を出すようになったけど、後継者がいない和菓子店が多いなか、仲間からはうらやましがられて、自慢の息子だったらしい。
修業のために隣町の和菓子店に働きに出たアキトシさんが店の娘と恋をしたと聞いても、サトウさんは反対しなかった。立派な跡取り息子がいたからだ。
でも、その跡取り息子がゲージュツに目覚めて外国へ行ってしまった頃から、サトウさんとアキトシさんの仲は悪くなったらしい。このあたりから、サトウさんは跡取り息子のことを「ドーラク息子」、アキトシさんのことを「あのやろう」と呼ぶようになった。
アキトシさんは高校の普通科を出て大学進学を希望した。なでしこがもっと儲かるように経営を学びたかったようだ。
大学生になったアキトシさんはすこし店の経営に口を出すようになったけど、後継者がいない和菓子店が多いなか、仲間からはうらやましがられて、自慢の息子だったらしい。
修業のために隣町の和菓子店に働きに出たアキトシさんが店の娘と恋をしたと聞いても、サトウさんは反対しなかった。立派な跡取り息子がいたからだ。
でも、その跡取り息子がゲージュツに目覚めて外国へ行ってしまった頃から、サトウさんとアキトシさんの仲は悪くなったらしい。このあたりから、サトウさんは跡取り息子のことを「ドーラク息子」、アキトシさんのことを「あのやろう」と呼ぶようになった。