「でもさ、俺とか赤鬼君とかがスカートはいて、スカートはやめよう、想像するだけで気持ち悪い」村崎は顔をしかめた。「カツラをかぶって口紅つけても、絶対女には見えないぜ。緑川もいい顔してるけど女には見えない。青ちゃんに化粧したらおカマか変質者だぜ」
元鳶の青山の女装を想像したのか、黄の口元が緩んだ。「見てみたい気もするネ。恐い物見たさ」
「私のかわいい息子達は、悪巧みでもしてるのかしら?ずいぶん楽しそうね」
割烹着を着たおばさんが大きなカップにお茶を入れてきて、村崎達の前に座った。
「おばちゃんだって、ずっとおばちゃんだったわけじゃないんだよ。娘時代はかわいいって評判で。
亭主もいい男だったよ。私から見たら、アラン・ドロンよりずっと」
「おばちゃんのそんな話、聞くのは初めてだな」救われた思いで、村崎は言った。
「学者肌で偏屈なところがあって、金や女よりも機械や研究が好きで。私達には子供はできなかったけど、こんなにかわいい息子達や娘がいるし」
二人の顔を見て、おばさんは続けた。
「体が弱くて40歳前に死んじゃったけど、今でも惚れた女から、あの人はいい男だったって言われるんだから、うちの亭主は幸せ者だよ」
元鳶の青山の女装を想像したのか、黄の口元が緩んだ。「見てみたい気もするネ。恐い物見たさ」
「私のかわいい息子達は、悪巧みでもしてるのかしら?ずいぶん楽しそうね」
割烹着を着たおばさんが大きなカップにお茶を入れてきて、村崎達の前に座った。
「おばちゃんだって、ずっとおばちゃんだったわけじゃないんだよ。娘時代はかわいいって評判で。
亭主もいい男だったよ。私から見たら、アラン・ドロンよりずっと」
「おばちゃんのそんな話、聞くのは初めてだな」救われた思いで、村崎は言った。
「学者肌で偏屈なところがあって、金や女よりも機械や研究が好きで。私達には子供はできなかったけど、こんなにかわいい息子達や娘がいるし」
二人の顔を見て、おばさんは続けた。
「体が弱くて40歳前に死んじゃったけど、今でも惚れた女から、あの人はいい男だったって言われるんだから、うちの亭主は幸せ者だよ」