「願興寺」悠久の1200年

最澄縁の願興寺ブログ。2015年には開基1200年祭を予定。本堂、24体の仏像が国指定の重要文化財。

質素な如来さまと豪華な菩薩さま

2012-05-29 07:47:42 | 仏教

願興寺には本堂の他、24体の国重文の仏像がある。仏像には如来と名のつくもの、菩薩と名のつくものの他、明王、天部に分類される説が有力である。願興寺の24体の重文は、如来が本尊薬師如来座像、釈迦如来座像、阿弥陀如来立像と座像の4体あり、菩薩は薬師如来の脇侍の日光・月光両菩薩、釈迦如来の脇侍である普賢・文殊の両菩薩の4体がある。天部は四天王の4体に十二神将の合計16体である。

如来とは、真理に達した人、つまり、悟りを開いた人という意味であり、お釈迦さまが悟りを開き如来の境地に達した姿を表している。真理に達したお釈迦さまには32相80種好といい、大きな身体的特徴が32、小さな特徴が80あるとされている。例えば、如来さまの髪の毛は螺髪といって、日向で長時間修行された結果、髪の毛が一本一本縮れて丸まったとされる。

32相80種好についての詳細は、次回に譲るとして、今回は如来と菩薩についてお話を進めていくと思う。どうも如来さまも菩薩さまもどちらもお釈迦さまのようである。悟りを開こうと修行中なのが菩薩さまで、修行を終えて悟りの境地に達したのが如来さまのようである。もともとお釈迦さまは王族であったので、菩薩のときには、王族としての衣装をまとい、如来に達せられてからは俗欲が消え去り、衣装へのこだわりもなくなり、衲衣といわれる一枚の布を肩から掛けているだけとされている。また、薬師如来さまの左手に持つ薬壺(やっこ)以外には如来さまが持物を持ったり、装飾品を身につけるということもない。

それに比べると、菩薩さまの衣装は絢爛であり、持物や装飾品も豪華といえる。天衣(てんね)と呼ばれる衣装をまとい、肩からは条帛(じょうはく)を掛け、腰には裙(くん)と呼ばれる巻きスカートのようなものを身につけられ、宝冠(ほうかん)と呼ばれる冠をかぶり、胸飾(きょうしょく)という首飾りや耳環(じかん)というイヤリングなどの装飾品を身につけているものもある。

願興寺の仏像は、前にもご紹介したように薬師如来の曼荼羅(薬師如来の世界)そのままに配置してある。その表情も含めて、それぞれに役割があっての配置でもある。仏像の造形美もさることながら、そんなところにも注意して拝顔していただきたくとより興味深いと思います。

願興寺公式サイト


最新の画像もっと見る

コメントを投稿