欧米の映画の主人公は中高年がけっこう多い。若い時に活躍した俳優さんたちもどんどん歳とって中高年になって行くけれども、それでダメかと言うとダメどころかだんだん良くなっていったりする。デカプリオ、トム・クルーズとか。子供のヒーロー、アイアンマンもバットマンもキャプテン・アメリカだって言っちゃえばおっさんヒーローだ。
おっさん、であるが故に、余計な装飾無しに堂々と芯のあるヒーローになっている。カッコ付けなくてもそれなり、ダメだったりだらしなかったり、そう言う部分をそのままそれとして、つまりちゃんとそこまで生きて来た人間としての有り様みたいなものがそこにちゃんとあって、その上にヒーローが乗っかって安定しているのだ。
映ってないところにドラマが、その人の人生がちゃんとあったって感じがする。そこ行くと日本の映画はアニメにより似ている。そこまでの人生や時間てのは全くどうでも良い。その場その場だけが問題にされている。だから役作りは「キャラクター」作りと言う事になる。
サザエさんは何十年経ってもサザエさんに変わり無し。ドラえもんもそう。だって彼らには観客に見えている部分しか人生が無い。見ている在り方そのものがサザエさんやドラえもんの人生なのだ。
日本では若者が映像コンテンツにお金を使う主な層だと見なされているし、俳優さんを選ぶとした場合にキャーキャーでも何でも騒いでもらえる人から選ぶ。経費回収を考えればそれが一番安全なのだろうとは容易に想像できる。仮に中高年のアイドル君麻呂氏を主役に映画を撮っても小栗旬に勝てるとは誰にも思えない。で、それに挑戦して変えてみようとする人だってほとんど現れないわけだ。
こうしていつまで経っても日本では若さ礼賛から抜け出せないのだ。特にヒーロー物は無理だ。(例外はゼブラーマンと復帰した仮面ライダー本郷猛程度か?)
そしてこのルパン三世、しっかり日本の病を背負って出てくれた。ストーリー?、そんなもの言う前の問題だよね。でも もう1つ言ってしまうと、カメラワークがテレビのそれになっていてせっかく変わった景色の中で撮影しているのにつまらない絵になっていて残念。
これ、せっかくだから作り直ししていただきたい。
(アマゾン・プライム・ビデオで見ている。)
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