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もんく [とある南端港街の住人になった人]

台湾点描 その14

2月2日。

基隆からバスで北に向かう。
つまり台湾の最北端方面に向かう。しかしながらその最北端が目当てではなくて、お墓参りが目的。

写真を見て分かるように、戦時中に亡くなった方のお墓参りと言うわけでなくタイのチェンマイで亡くなった麗君、つまりテレサ・テンの墓参りなのでありました。


お墓参りと言ってもなかなか行き難いところにあって、ちょっと困りました。
基隆から淡水行きに乗り金山で降車。街の人に墓所の場所を聞くとかなり遠くて徒歩では無理、タクシーで行くべきだとのこと。そこへ現れたタクシーの運ちゃん(運転手のことを「うんちゃん」と言ってもちゃんと台湾語として通じます。北京語ではスージー。ちょっと可愛い。)に聞けば、片道20分、往復で500元だと言います。

あれあれ片道20分x往復で500元は高すぎ。その程度の距離なら大体350元で行くはず。いくら言っても安くしてくれないのでその運ちゃんは断って別のタクシーを捜す。今度は450元との事。交渉の末400元になったので仕方なくそのタクシーにお願いする。

タクシーはさっきバスが走り去ったのと同じ北方へ走り始める。10分も行かないうちに山側へ左折するとそこから先はもう完全なる山坂道。カーブも多い。おいおい大丈夫か? とも思いつつ仕方なく前方を見ていると15分程度走ったところで突然だだっ広くて大きな墓園(日本では墓苑とか霊園と言います。)が目の前に現れた。

タクシーがその墓園を横切るように走るが全然止まる気配もない。墓園をほとんど全部横切ったその端っこのところにようやくテレサ・テンのお墓があった。

タクシーを降りてお墓のところまで歩いて行く途中の地面には大きな石でできたピアノのモニュメント、横にはホルンのようなモニュメントがあってどこからとも無く音楽が聞こえてくる。よく聞くとテレサ・テンのコンサートの録音だ。北京語で歌っている曲もあるが日本語の知っている曲も多くあって、亡くなった人の前で申し訳ないがけっこう楽しめるお墓参りになった。

これなら500元でも安かったと反省。


金山に帰るとやはりここの名物を食べるべしと思い、廟口にある(と言うよりこれはほとんど廟の軒に入っている)アヒルの専門店でアヒルを食べた。

アヒルの肉は美味いしとっても安く沢山食べさせてくれるのだけれど、唯一欠点は肉がとても硬い。それなのに周りの老若男女、皆(すごい人数だった)は普通に食べている。これ、当たり前なの?


ずっと前にお金の神様と呼ばれ、グルメでも有名な中国系のあの人が、台湾は北京ダックが美味いと何かに書いていたが、私は全然そうは思わない。なぜなら、台湾のアヒルは脂肪がのっていないから硬いのだ。台湾のどこで食べても。

だからアヒルは香港で食べた方が絶対間違いないと思います。
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