九份(ちょーふぇん)からバスで基隆に帰る。
ここは何の特徴も無い普通の港町かと思ったがそうでもなかったみたいだ。
赤い提灯で飾られた美しい廟があり、港町らしい雑多な雰囲気あり、他では見ないお菓子や食べ物などもある。おじいちゃんがインドのタンドリーに似たような形状の釜で「大陸餅」を焼いていたり、路上で子供たちが胡椒餅を売っている。写真の夜市でもちょっと他と違った油飯(名前だけで油っぽくはない)などがあって他の街とはちょっと雰囲気が違う。決して観光地ではないし、台北から1時間程度しか離れていないのにそれとは違う地に足を付けた港町の暮らしを感じさせるものがある。
短期間の観光で行く場合にはお勧めしないけれど、じっくりと台湾を味わいたい人には基隆はお勧めの街だと思う。
ちょっと話を変えて基隆のお土産の話を書いておきます。
台湾の空港でよく「鳳梨酥(パイナップルケーキ)」が売られているのですが、だいたい試食ができるようになっていて、行った人はその切れ端をちょっと口に入れる事もあると思う。
しかし何ともこれが美味くない。
表面の皮がパサパサしていてその中に固めたパイナップルジャムのような物体が入っている。口の中でそのネチャネチャした物体が出来そこないのグミのように甘く残るあの食感が最悪なのである。亜熱帯の台湾でパイナップルが採れるからと言う理由だけで適当に作ってみました、と言った変なお菓子だ。
そんなお菓子でも一応台湾名物だと後から聞いてびっくり。そう言えばどの街にもそんなものを作って売っている菓子屋がある。
全くどうなっているのかと思っていたら、街や空港で売られている鳳梨酥はここ基隆にある「李鵠(りーほー)餅店」のコピーだったらしい。それでこの際その本家本元、李鵠の鳳梨酥を食べてみることにしたのだが、これは今までの認識が間違いだったと気づかされることなった。
李鵠の鳳梨酥は美味しかった。
皮と中のパイナップル餡(あん)の食感がよく合う。だから中身の甘さがしつこく口に残らない。皮と餡が口の中でちゃんと混ざり合って咽を通るから甘すぎず、パイナップルの香りが適度に感じられるものだった。なるほどこれは真似したくなるものだ。
残念なことにこの李鵠餅店は、店先に山ほど積んだ鳳梨酥の箱詰めが飛ぶように減っていくにも関わらず決して支店を出したり、売れるはずの空港免税店で販売はしないのだそうだ。
食べたい方はどうぞこの街を訪ねて買ってくださいませ。
1882年から100年を超えて鳳梨酥を作り続けている李鵠餅店は、間口2間ほどの小さい店だけれどお客さんが群がっているのですぐ見つかります。
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キャサリン
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