見出し画像

もんく [とある南端港街の住人になった人]

もっとメチャクチャでもいいね

ジャストインタイムって言葉、生産現場ではよく聞く。
こう言う言葉、ある種の人にとってはどうにも響きが良すぎるらしい。

ずーっと前、失業していた頃に派遣でアルバイトをしていた。
けっこう有名な誰でも知っている会社のある製造部門だった。
仕事は金属部品のヤスリがけとか組立とか。

あの時いっしょにやっていたメンバー、1人はヤクザのおじさん。
もう1人は十代から借金が消えない借金まみれで売られてきたおじさん。
その他いろいろ。
今どうしてるだろう?

と、そんな話は今はどっちでも良いのだけど、
ある時その現場の部長だか何か(会った事はなかった)が、
突然ある事を言い出した。
「1個流し生産にしなさい」と。
言っただけだったけど。

それで現場の人達は慌ててレイアウトを変えてそれが出来そうな感じにしてみた。
が、結果は出来なかった。
偉い人が見ていない時にはこれまで通り作った物をいくつか溜めてやっていた。

ちょっとおかしかった。

どうみてもそんなので出来るわけが無いのはすぐにわかった。
生産と言うのは外乱要因がたくさんあって、
理想的にやるにはそれなりに準備しないといけないわけだし、
やればやるほど難しい要因がたくさん出てくる。
そうなると全部それを潰すまでできないわけで、
だからと言ってあきらめるわけにも行かず、生産を止めるわけにもいかない。
どっちも止められない。


最近もあるところでそんな事が行われつつあるのを見た。

理想的にできない原因はいくつかある。
それは”仕方なし”の部分。
これは本当はあきらめるべきじゃなくてどうにかすべきポイント。
でももう1つ、わざとやらない原因と言うのもある。
管理が難しくなる割にメリットが少ないのだ。
管理には紙がいくつか必要だし、
紙が出来るとそれを見る人が必要になる。
見ているだけじゃダメで交通整理が必要。
交通整理するには判断基準が必要。
判断して交通整理した結果を次の工程できちんと見てもらわないといけない。
その他いろいろ。


結局言えるのは、普遍的で正しいと考えられ過ぎている言葉とか論理、
これがもう考えも無しに普通に使われるものだと思われ過ぎている。
会社とか工場とか現場とか物、売り方や在庫の持ち方、
その他いろいろな条件によってすべき事は千差万別なのに
なぜかこれをやれば絶対良くなる的な簡単な考えに陥り過ぎている。

バナナダイエットとかその手の事と一緒なのだ。


本当はセオリーの逆張りになる事もあり、
わざとユルユルにするポイントを設けるもあり、
1個流しなんかしないでラインを切ってしまうのが有効な場合も多い。
ましてマレーシアで外国人労働者が働く場合など、
普通と思う事とだいぶ違ったやり方をしなければならないのだから。

だから物作りは実はもっとオリジナリティが必要な事が多いのだろうと思う。
他人から見てメチャクチャと言われるかもしれないけれど。

わかったような言葉を使うのは勉強してきた証拠でもあるから良いと思う。
でももう1歩踏み込まないといけないのである。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「マレーシアでニャー」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事