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もんく [とある南端港街の住人になった人]

メイド・イン・チャイナ、イン・マレーシア

先日、スーパーマーケットに行くとレジの近くに
BOBOIBOYのキャラクター人形が売られていた。

ボボイボーイとはマレーシアで今人気のアニメ。
テレビや映画で見られるらしい。

その人形が1つ1つ箱に入れられて大きなスチールのカゴの中に。
きれいな個装箱表面はちゃんと中が見えるようになっていて
キャラクターがちゃんと3D化されてポーズをとっている。
出来はけっこう良いようだ。

裏を見ると、
何と、
メイド・イン・チャイナ!

おお!
日本ではこう言うのは当たり前になってしまって
驚く事も無いが、
このマレーシアで、
マレーシアのアニメグッズまで中国製になってしまっているとは!

値段はどうだ?
おっ、何と20リンギ超えている。
日本円に直すと多分500円かそこらと安いが、
マレーシアではこれ、2000円超の感覚だ。
つまり安いものではない。

日本的にはちょっと頭が混乱してくるかもしれない。
なので解説を以下に。

マレーシアで売っている中国製のいろいろな物、
日本と同じでほとんどが安物と言って良い。
雑貨から家電製品、その他いろいろ。

高い中国製はアメリカなどの会社が自社ブランドで作り
世界にばら撒いている物。
ディズニーその他のオモチャに代表される物。

マレーシアのオモチャはほぼこの2種類、中国製のいい加減なやつと
アメリカのキャラクター物で構成されていると言うわけ。


で、今回のボボイボーイはマレーシアで企画された物。
実は無い事は無いが、売っているのは珍しい。
オモチャ関係はアメリカにやられているし、
中国製はそのパクリ品を山ほど送り込んで来る。
マレーシアのキャラクターは筆箱やノートなどに
印刷した物ばかりで立体になったにはほとんど無い。


結局、無かったのはマレーシアで作れないからなのだ。
まず、樹脂型作るのにコストが高い。
たぶん日本で作るのとあまり変わらない。
成形の品質管理、ちゃんとやるとけっこう高い。
オモチャ程度だと中国製に品質で絶対負ける。
色付け、これは品質でマレーシアは無理だろう。
人形の頬っぺたの微妙なグラデーションとか
はみ出さないように髪の毛の色を付けるとか。
実際の労働力は外国人になるから中国には負ける。

マレーシア製のオモチャも見るけれど
どれも低品質のものばかり。
しかも凝った物は無い。
元々色の付いた樹脂をいいくつか成形して組み合わせた物。
それにシールが貼ってある程度。


そうなると一番簡単で良いのは
やはり中国で作ってもらうと言う選択肢。
自分たちに突出した点が何も無いのに完成品だけ求めるために
中国に任せようとする。
そうした事について当のマレーシア人は
何も疑問を抱かない。
だからマレーシアで買える物は中国製ばかりになっている。
変な言い方だけれども、カモにされている事に気付いてないと言える。


マレーシアは途上国の中でも自動車メーカーもある
工業国っぽくなって来ているけれど、
中国が相対的に良くなっている事を差し引いても
中途半端な存在になって来ているのは確かだ。

このままリンギの価値が下がって
外国人がマレーシアから出て行ってしまう事になったら....
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