昨夜、つぶあんは1階リビングの座布団の上にいてそのまま伏せっていた。寝ているのか眠れないのか分からなかったが見ていた。こちらもうとうと横で寝た。時々見るとつぶあんも頭を上げてこちらを見た。頭を撫でてやると気持ち良さそうにして顎を座布団乗せて目を瞑る。時々きなこが来てご飯を要求したり歩き回ったりするのでトイレに入れるためにその場を離れるとつぶあんはまた頭を上げてこちらを見た。こちらも寝ながら指だけ頭の後ろあたりに置いて触ってやると安心したように寝た。少しずつ熱が下がってきた。
朝方4時過ぎにつぶあんは起き上がってリビングを出て行った。遅れて出て行くと玄関のタイルの上で昨夜食べたカリカリを吐いていた。昨夜といっても6時間以上前のカリカリだから胃腸が動いていなかったのだろうと思われる。つぶあんは別の部屋のテーブルの下の床にうずくまったがすぐに出てきて元いた座布団の上に戻った。この頃からまた熱が上がりだしているようだった。
朝8時頃にまた起き出してきて今度は脱衣所前の床で吐いた。出てきたのは水だけだった。
9時、一番に病院へ行き抗生剤の注射など処置してもらう。午後6時頃に再訪するように言われた。
家に帰るとほとんど足腰が立たない状態で猫部屋に歩いて行く。水を飲みたいようだが下半身に力が入らず皿まで届かない。皿を顔の前に持っていってやり身体を後ろから支えるとどうにか水を飲むことができた。
昨夜までいた座布団の上に移してやるとそのまま伏せっている。保冷剤を布で巻いて首の後ろに置いてやる。午後になってまた少し熱が上がってきたようにも思える。
今は抗生剤の効果を待っている状態だが、相手が抗生剤であればこちらは少し気が楽だ。これまでも抗生剤の注射と投薬は何度も経験してきた。最初はもうダメかと思っても3日もすれば必ず効いてくるからだ。
本当に辛いのは抗生剤で治る症状ではなくて、この同じことが必ずまたあるという方だ。今の免疫抑制剤治療を続けている限りは白血球は低下するしかないが、抗生剤投与期間に赤血球が元のレベルまで到達し、免疫抑制剤を止めても維持されて白血球レベルを戻すことが可能なのか? それができなければ同じことが必ず起こる。つぶあんの身体が自律を取り戻すことが、抗生剤が効いている間にできるのか?
もしかすると、つぶあん自身の身体に仕込まれたタイマーが血液を作らないように作動していて、つまりは最も楽なやり方で終わらせるように動いているのではなかったか? それを自分が苦しませるようなやり方に無理矢理変えてしまっているということはないのか?
生死の境にいる時には普通、「そんなこと言っている場合か!」という論理が最も強くなるものだけれども、それで良いのだろうかと考える。相手が動物の場合に人の持つべき責任範囲は?