もんく [とある港街の住人]

金正日とは、人の人生とは

金正日が亡くなりました。

ニュースでは北朝鮮はこれからどうなるのだろう、北朝鮮と周辺国の関係は?、と言う話題で持ちきりです。彼の周辺部やら自分の国との関係に焦点が当てられているようです。


ところで、金正日本人とはいったいどんな人間なのでしょう?

これだけ世界中で有名な人物であるにも関わらず彼がどんな人間であったかを知る人はたぶん誰もいません。News weekには「金正日、7つの爆笑エピソード」などと言う面白い記事が出ています。これには初めてのゴルフで11回もホールインワンを出した、誕生前に空に二重の虹がかかり光り輝く新星が現れたとか、ウンチをしないとなっています。

もちろんこれは実態であるはずがないですが、そうした事を本当の事だと一つの国家が真面目に信じ込ませようと宣伝しているわけですから、実際の人間としての金正日に関する事は知られるはずがありません。


多くの人間は「自分のことを誰かにわかって欲しい」と感じているものだと思います。

ある事で注目された人は周囲からそう言う目で見られます。いつしかそう言う目でしか見られなくなり、それに反する行為をする事が「その人らしくない」となります。アイドル・タレントさんが作られたイメージの中に自分を押し込めて生きなければならないのを後に苦しかったと告白するのもそれだと思います。

それはきっと本当の自分、たとえばだらしないところ、たとえば子供っぽい趣味を持っていることなどをそのまま認めてもらいたいと言う事だったのではないでしょうか。それでも愛される、いつでもキチンとしていなくてもいつでもカッコ良いイメージ通りでなくても誰も周りから居なくなったりしないのが心地良いのです。


金正日に関しては自らの実態を明かす事は不可能だったでしょう。彼は生まれた時点からずっとそれをする事を制限されてきました。それすらも本人の意思で始まったわけではありません。物心ついた時にはもう流れは決まっていていくら彼が自分で何を決めても良い地位に着いたとしてもそれだけは変えられませんでした。

「バカらしい、こんなのもう止めようよ」と言えたかもしれませんが、それをした途端に彼の命は消えてなくなったとも考えられます。親愛なる指導者、偉大でわがままな独裁者にもその点についてだけは気まぐれは許されませんでした。


そんな人生、どうだったのでしょうか?

何でも思い通りにできた人間であっても自分の実態をさらけ出して、ボクこんなんだけど皆許してくれる?、とだけは言えなかった。その人生はどんなものだったのでしょうか? 世界の見えないところに彼のことを全て分かってあげられた人が一人でもいたのでしょうか?
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