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もんく [とある南端港街の住人になった人]

外国人観光客ってどんな人?

インバウンドで日本がいくらか潤っている。来るのは先進国ばかりでなく東南アジア地区からも多く来ているのは知っていると思う。


さて、途上国であるマレーシアからどんな人たちが来ているかわかる?
日本で言えばタワマンにマンション買っているレベルのお金持ち?
企業オーナーレベル、首都圏に住んで高収入を得ているホワイトカラーレベルみたいな?

というようなことを想像している人がいたのにちょっと驚いている。逆にそれ以外の人たちは海外旅行とは無縁で、ゴミだらけのスラムに住む人たちは完全に・・・とか。

もしそういう想像をしていたとしたら沢木光太郎の深夜特急時代から全くアップデートされていないと反省すべき。まずもって、マレーシアにはスラム街ってのは無い。それは外国人労働者が酷いところに住まわされているのはあるけれど、お上が手を付けられないような場所を占拠してスラム化しているというのは無い。

そして日本に旅行に来ているのは上流階級ばかり・・・というのも違う。上流クラスはそもそも年に一度以上欧米へ観光に行ってたりするし、子供を普通に留学させていたりもする。稀でなくてそういうのは良く聞く。知っている中ではタクシー運転手さんの子がアメリカ留学しているというのもあったし、小さな企業経営している家ならそんなのは普通。つまり、日本が安いから行くレベルはその下。企業勤めでも中間管理職程度であれば家族で日本へ旅行できる。日本でも普通のサラリーマンが海外旅行するが、それと同じ。

日本が中国のお金持ちでない人々にビザを出して旅行を認めたというのが何年か前のニュースで出ていたけれど、ということは東南アジアの人たちだって同じということ。当たり前だけど。




この現状をどう捉えるかというのにはいくつかの違った視点が必要。

1) 日本が世界の中で相対的に落ちぶれてきた。
このあたりは普通にそうだと言える。以前は工業製品は日本製でないと、という時代があったけれど今はそんなのはほとんど無い。昔は電球買う時に高いけどパナソニックにしなよと言われたが今は誰も言わない。自動車はメルセデスやBMWは別格だけどトヨタは中国ブランドと比較される。


2)比較しても意味がない。
実は比べて落ちぶれてきたというのよりこちらの方がずっと大事な視点。

比べるってことがどんな意味があるかという根本的なところから見ておかないといけないが、なかなかそんな人はいない。比べるというと、学校のテストで成績順に名前を並べるのを思い浮かべてしまう。けど、その時はそのテストという一次元の基準に従って上下が決まるだけ。国と国の比較をするときにも一定の基準があって先進国と途上国を分けているが、それはその基準が無いと比較できないからというだけ。算数と国語と理科の成績が良くてもその人の人格が素晴らしいのとは違うということ。

というわけで、何が言いたいかというと、国の構造が違うというのにも注目しないといけない。前にも書いたけれど、メルセデスで屋台に乗りつけてきて食事をするのが普通。それほど高給取りでないサラリーマンが自宅以外の家を数軒持っている。明らかに不相応と思われる高級車を乗り回しているし、常時外食もしている。人間以外のことでも住宅価格の割りに賃貸料が安いとか、中古車の値段が新車とそれほど変わらないとか、とんでもない山の中に開発地ができて買う人がいるなどというのもある。マクドナルドがジャンクフード扱いじゃなくてレストラン扱いになっているとかも。

こういうことを考えるとそれは我々が太平洋戦争から立ち上がって徐々に豊かになって先進国にまでなり、一時は世界ナンバー1じゃないの?とまで言われたあの道(path)が唯一のやり方であり、基準であると思い込み過ぎているのが間違いだとわからせてくれるだけだ。先を行っているとか遅れているとかじゃなくて違うのだ。やり方も意味合いもいろいろ。

だから路地がゴミだらけで汚くて臭いのからスラム街の存在を想像するのは単なる思い込みであって、ゴミ問題とスラムの発生は別のことだと考えた方が良いというわけ。お金があるからメルセデスは半分正解で半分間違いなのだ。

同じように先進国である日本に観光に来ているのだから途上国の人であっても上流クラスの人たちだけだろうなどと想像するのも大きな間違い。外国人観光客が日本の物を高品質と思って買うように言う人もいるが、単に珍しいだけかもしれないし、思ってもいない基準で選んでいる、同様に選ばないかもしれないと考えないと。
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