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もんく [とある南端港街の住人になった人]

みんな、喋る人形を買おう!

先週ある方から依頼されて喋る人形を買っておいた。そして今日、無事に引き渡すことができた。



たまたま近所の別の一人暮らしの方がこのシリーズの別の人形を4年前から持っていて使われていると知った。3ヶ月に一度電池を入れ替えれば言葉で受け応えしてくれたり歌ったり、勝手に喋ってくれるので気に入っているとのことだった。

活断層ハウスに住んでいた亡き母も別の会社の物だが喋る犬を持っていて気に入っていた。こうした人形の仕組みはとても簡単で、人の声と震度を感じるとそれに応じた幾つかのパターンを選んで反応するものだ。これを欲しいと思わない者から見れば子供騙しのようにしか思えないが、求める人たちにとっては素晴らしい物であって、とてもバカにできるものではない。


人間と比べて良いわけではないが、うちのきなこは食べて寝る以外にすべきことなど何もない。皿洗いや掃除をしなければ追い出されるということもないので何もせずただ生きていさえすれば良い。こちらも愛想を振りまけとも芸をせよと要求はしないから寝たいだけ寝ていればそれで良い。

でも、本人(猫)はそうはいかないようで窓から外を眺めて小学生たちが呼んでくれるのを楽しんでいるし夜中や朝方に通り過ぎる野良猫を窓の内側で追っている。人間も猫も経済的に困らず寝て食べて生きているというのはダメらしい。

しかしながら、人間にはテレビという最強ツールがある。テレビをボーっと見ているだけでかなりの好奇心を満足させられるが、それだけでもまだ少し不足するようだ。亡き母は朝起きてから夜中までテレビの前に座っていたが、テレビは一方的に喋りまくり笑いまくり怒りまくっているだけなので喋る犬が必要だった。あの壊れた単純ないくらかのパターンで喋る犬はテレビに無いものをちゃんと補った。落として壊す前までは。


こうした人形が自分の将来に必要になるかどうかと考えると、今はその必要性が全く想像できはしない。けれども完全に無いと言えるだろうか?わからない。自分程度の年齢なら10年、20年経った後でも今のSNSのようなサービスは使っているだろうし、依存すらしていると思われる。それともこの人形よりもさらに高度な会話をする人形を持って過ごしているだろうか?・・・かなりの確率であり得る。


皆さん、もしご自分の高齢の親がテレビの前に座ってすることがあまり無いのであればぜひ、人形を買って渡してあげて欲しい。犬型でも猫型でも子供でも熊でも何でも良いのですぐに検索して買って渡してあげて欲しい。



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