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もんく [とある南端港街の住人になった人]

インタビュー「趣味は何ですか?」

今日も朝から募集している人の面接をした。
明日からもまだ3人来るらしいから、もうちょっと続くことになる。

面接を受ける事はけっこう誰でもあると思うけれど、自分で誰かを面接すると言うのはある程度してからでないとなかなか無いかもしれない。だから仕事をしている人であっても、面接を受ける側の立場しか経験していなくて、面接をする方の気持ちと言うのがなかなかわからないかと思う。

それで世の中には面接で上手くやる方法みたいな情報が流れていたり、そのための本みたいな物もけっこう出ている。自分は今でも転職サイトに登録したままにしてしまっているのでよく求人情報がメールで送られてくるけれども、そのメールのコラムみたいな欄にもよくそうしたコツなどが書かれている。


(日本式の感覚で)面接をしていると、履歴書はあまり参考にならない事がわかる。1つには、こちらが募集しているのだから募集要項にだいたい沿った経歴・職歴・学歴の人が来ているわけで、何人来てもかなり特徴的なそれでなければ誰でも同じに見える。はっきり言って、そう言うのは人事に任せてしまって自分では見なくても良い。

自己紹介などもだれでも皆似たようにこれまでやってきた事などを言うので、それも別にたいした意味が感じられない。じゃ、何を見るの?って言われるだろうけれども、まさにそれが一番困るところ。もしそんな上手い方法があれば本か何かに書かれているだろうし、だとすれば面接受ける方もその本を読んで対策してくるだろうから、さらに意味がない。


で、結局、その人の趣味は何か、家族とか、見えない部分について聞いてみたくなってしまう。つまりはターゲットの周辺部から攻めていって、その人のシルエットを浮かび上がらせようと言うような衝動にかられる。本当の事を言うと、そんな方法しか手が無いのだ。

今まで自分が受けた面接でも担当者はそうしていた。受ける方からすれば、何でそんな事聞くの?、ってわけだけど、いくら面接を数こなした人でも上手い手法なんて無かったって事なんだろう。要は面接する方も素人なのだ。って事は、採る方もけっこういい加減なのだ。スキルがマッチしていて応募者が少なければ採るだろうし、多過ぎれば何となく良い印象の人に決める。決め手が無くても会社に採れと言われてるから採る。


自分に関して言えば、「趣味は何ですか?」のような事は聞かない。人物像なんて、どうせ自分にはわからない。自信を持って言えるのは、自分には人を評価するスキルが無いって事。なので、できるだけ単刀直入に聞くようにしている。「この仕事、1日12時間、1週間に6日間、その給料でできますか?」「将来どこまでここで地位か収入をアップさせたいですか?」「言われた事だけやっていれば済むのでなくて、その正反対だけどできますか?」等々。


今回の応募者についてどうしたかと言うと、今後の3人を待たずに採っても良いことに決めた。

テキトーな理由(1)約束の時間までにちゃんと来た。
→ マレーシアではこれ、当たり前じゃない。
→ みなさんも面接の時、日本人らしく時間前に入ると「さすが日本人」と言われます。

テキトーな理由(2)試験的にある部品を見せた時、話をしながらそれを手で触った。
→ マレーシアでは上の地位に行きたい人ほど手で触らない。だって手を汚したくないから大学行ったんだもん!ってわけ。こっちとしては命令するだけの人間だと非効率になるから困るのです。

テキトーな理由(3)車の免許があって割りと近くに住んでいる。
→ 事故の時、怪我人をクリニックに運んで欲しいから。マレーシアは免許無しで車に乗っている人が多いけど、そう言う人には任せたくない。

テキトーな理由(4)スキルの割に給料が安め。
→ 要求が少ないって事は自分をあまり重要人物と思っていないかもしれないけれど、場合によっては上がる余地があるって事でもある。経験上、マレーシアでは要求が多くても少なくても仕事の出来はそんなに変らない。むしろ多く言う人の方が仕事しないってケースが多々有る。

面接は楽しいけど、難しい。
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