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もんく [とある南端港街の住人になった人]

人間なんて、家族なんて

今日は一日の最後にちょっと面白いことがあった。
キャサリンさんと姉のアグリッピナの電話による直接対決があったのだ。実は偶然にも自分の母、これはいつも言っている活断層の家に住んでいた母だが、母が亡くなったとほぼ同時にキャサリンさんのお母さんも亡くなって、葬儀の日が同じだった。そして今回知ったのは納骨予定日も同じ日だったらしい。

問題はそこではなくて、先日来アグリッピナから急用、急用と何が急用か言われないままに留守電が入っていた。キャサリンさんは無視していたが、今夜とうとう電話 に出た。すると、急用の内容が相続の事だとわかった。なるほどそれで急用の具体的な内容を言わないわけだ。つまり、きっちり半分に分けたいと考えておらず、納骨の時にあれこれ言って納得させたいという事のようだった。裏に含みがあったって事だ。

キャサリンさんにとってそれは重要じゃないという事がまったわかっていない。そんな事にいろいろ思うならば、それより先に入院している時の様子を伝えるとか、医者が家族を呼ぶように言った時を急用にすべきだし、その時間が無かったのであれば生前の様子を伝えるとか最後の写真を見せるとかすべき事はあったはずだ。お金の事が出てきていきなり急用というのも分かりやすいと言えばそうだが、やはり、どう考えてても違うだろう。とは言え、アグリッピナはキャサリンをその程度にしか見ていないのだとわかる。まあいいけど。人間なんて、家族なんて、だいたいそんなものに違いないのだから。
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