最後の部分でイーオンが破壊したものは何だったのか?
つまりこの映画において否定したかったものは何なのか?
管理支配への否定か、科学技術の乱用による命の尊厳無視への否定なのか?
それらを否定して破壊した時に得られるものは「ただ1度の人生」の中にある人の「命の尊厳」だが、現実的な対処としての方法論の否定ともなってしまう。つまり、この破壊(否定)と言う解決が人類が死に絶える危険性を孕むものであるから、現実的な科学と言う方法によって存続できたはずの人の命を奪う事にも繋がってしまう。
そんな危険があると分かってしても「ただ1度の人生」を主人公が選ぶのは、いったいどう言う事なのだろうか?
さらに疑問はこの映画の中の「ただ1度の人生」とは何の事なのか?
話の中では基本的に「遺伝子の継承」と「人生や人格の継承」を同一で無いと言う前提で人間を再生させているが、そこに何らかの人格的な混乱が生じる可能性があるともしている。
しかし、「遺伝子の継承」と「人生や人格の継承」が同一で無いならクローンで生を受けた人間の人生も「ただ1度の人生」である。でなければクローンは生きる価値の無い人生を送っているただの物に過ぎない。
主人公の最後の言葉「ただ1度の人生を送りたい」とは、まさか遺伝子の自然な寿命の中にだけ生きていたいと言う意味だと言うことか?クローンでは生きる価値が無いと言う事か?
ただ、主人公がこの映画の宣伝に言われるような「カッコイイ女」の人生を選びたくはなかったと言う意味で、この人生を否定したくなる気持ちはわかる。本当は妹のような平凡な生活の中の幸せを満喫して生きたかったと言う意味で「ただ1度の人生」と言う言葉を使ったのだろう。それに賭けたいと思った。
ついでに蛇足ながらこの主人公のような万能で見た目もカッコイイ女を(映画の宣伝にのせられて)カッコイイ女の理想として賛美するならちょっと可笑しいんじゃないかと言いたい。だって彼女の行為は支配者に利用されていてそれに気付かなかったバカを晒しているわけだし、彼女自身が最後には彼女の生の意味や方法を否定しているのだから。
(結果:難し過ぎるよ。)
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