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もんく [とある南端港街の住人になった人]

悲しみの青い帽子

残業時間に入って作業員の人数を数えると、
1人いない。
なぜだ?
どこか機械の裏で倒れてやしないか?

が、残業なしで帰ったとわかった。
そしてメッセンジャー来る。
自分は3年この仕事やってきたのに
グレード上げてもらえないのか?

と自己主張する裏には、
今日、他から移ってきたマレー人作業員の存在が。
いやいや、彼はただの作業員だし、
別に君より最初からグレード上げようなんて思ってないよ。
心配する必要は無いと説明。

彼はネパール人だけれど
仕事で他人に教えたりしてくれるので
グレード上げたいのだけれど、
会社的になかなかそれができなくて困っている。


その新しいマレー人、
先日こちらに移って来たいと言っていたから
溶剤が嫌いなバングラデシュ人の作業員と交換しただけなのだ。

が、よく聞いてみると、帽子が青いのだ。
実際に見ても青い。
青い帽子は一般作業員でなくてちょっとグレードが上がった証拠。
人事が何勘違いしたかわからないが青い帽子を渡してしまったらしい。

それを見て彼も勘違いしてしまったのだった。
別にマレー人だからって特別って事では無いのに。
だいたい、重用するとかしないとかの前に
履歴書提出してないのだ。

マレー人で将来グレードアップする可能性があって
本人もそれを望んで来たのならまず履歴書位は見せてもらわないと。
マレーシアの場合、見て何がわかるってのは確かにあるわけだけれど、
最初に見せるか見せないかではやっぱりちょっと扱いは違うのだ。


ところで、誰が何の役割かがわかりやすいようにとの意図で始めた
帽子の色、思わぬところで別の意味に捉えられているらしい。
悲しみの青い帽子。
絶望の青い帽子にならないようにしないといけない。
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