“みえ”は「張る」のか「切る」のか?
“みえ”は「張る」のか「切る」のか?
(写真:菅原伝授手習鑑 - 見得 みえ)
舞台の役者が、一瞬演技をとめて絵姿のようになって睨む歌舞伎独特の表現です。 江戸歌舞伎の力感溢れる ... と、一呼吸あってポーズを決めた瞬間に、目を寄せて睨みます。 この時、ツケの音が効果音として見得を引き立たせます。 菅原伝授手習鑑 >
「みえ」の意味は、広辞苑によれば……
1.見えるさま。
2.他人を意識し、自分を良く見せようとすること。
3.演劇で、役者が動作または感情の頂点に達したことを示すために、一瞬静止して特に目立つポーズをとること。
... ……とある。そして2.の場合は「見栄」と当て、3.の場合は「見得」と当てるそうだ。
2.は「見栄を‘張る’」といい、
3.は「見得を‘切る’」という。
げに日本語は微妙で難しい。同じ「みえ」でも、場合に応じて、「切ったり」「張ったり」しなければならないから忙しい。
ところで、「‘切った張った’の大喧嘩」というが、この場合の「みえ」はどうなるのだろうか? また今夜も寝られそうにない。