チキン・ラーメンといえば、我が青春の想い出だ。その発売も確か、日本が経済の高度成長期の入り口に立った昭和30年代の前半=いわゆる55年体制発足間もない時期の発売だったと記憶している。
貧乏学生の私は下宿の朝飯・晩飯が頼りで、昼は安い学食の貧しくて不味い定食に甘んじざるを得なかった。それでも食事にありつけるうちは幸せだった。
呑兵衛の私は、僅かばかりの仕送りを一週間ほどで使い果たし、下宿の飯が出ない土曜日と日曜日の三度の飯、そして学校の食堂も完全に閉まってしまう日曜日は窮してしまった。
苦労して送金してくれる親爺の懐具合も判っているだけに、送金の増額を申し出ることはできなかった。水だけ飲んで過ごしたことも、珍しくなかった。
そんな時の救いの神が「チキン・ラーメン」様 だった。安くてすぐできる。
下宿の2階の電熱器で、よく‘こっそり’作って食べたものだ。
‘こっそり’というのは、当時の電熱器は、今と違ってやたら電気を消費し、下宿の主人から叱られるからだ。
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話変わって……そんな想い出が郷愁として働くのか、今でもチキン・ラーメンをよく食べる。また食べたくなる。
ところが歳をとると共に、あのスープの独特のしつこさに参ってしまう。半分くらい食べたところで、胸に閊(つか)えてくる。
なんとか、チキン・ラーメンをあっさり味で食べる方法はないものか? 夜も寝ないで昼寝して考えた。
いろいろ試行錯誤を繰り返しながら、遂に「あっさり味」に仕上げる方法を発見した。すでに気づいて実行している人びとも多いかも知れないが、本日はその方法を公開(大げさだナア)しよう。
【方法】トッピングとして白菜のキムチ漬けを入れる。
これだけ……。(写真㊦:白線の楕円内)
冒頭の写真は、ゆで卵やら小松菜が入っているが、これは省略可。ただしどれもコンビニで売っているから、買ってくれば面倒でない。
写真がゴチャゴチャしないように配慮して、刻みネギが入っていないが、撮影後に入れて食べた。刻みネギは省略しない方が良い。
キムチの酸味がしつこさを救ってくれる。実にあっさりして旨くなる。
06.01.30