フレンチポテト
(写真:小熊 英二〈おぐま えいじ〉
1962年9月6日生まれ、男、既婚)
『日本人』は昔から、言葉には霊力が宿っていると考えてきた。今でも“言霊”(ことだま)といって特別の感情を抱いている。言葉は実体を現すということか。たとえば、「敗戦」を「終戦」と言い替えたりした。水商売などで、「するめ」を「あたりめ」、「すり鉢」を「あたり鉢」と言い替え、「梨」を「有りの実」と言い替えることはよく知られている。
我が国特有の現象かと思っていたら、決してそうではなかった。最近の例だが、米国でも、フランス憎しの国民感情が高まったときには、「フレンチポテト」を「自由ポテト=Freedom Poteto」と言い替えた。
その米国は、過去にも同じことをやっている。小熊英二 『市民と武装』 (慶應義塾大学出版会)から引用してみる(p90)。
《1917年10月、対敵取引法によって、敵およびその同盟国人の財産の連邦政府への管理移管条項が定められ、…ドイツに対する一般の反感も高まり、…ザワークラウト(sauerkraut)は自由キャベツ(Liberty Cabbage)に、フランクフルト・ソーセージ(the frankfurter)はホット・ドッグ(Hot Dog)へと変えられた。》
どこの国も、似たようなものか……
平成17年3月5日 B
(写真:小熊 英二〈おぐま えいじ〉
1962年9月6日生まれ、男、既婚)
『日本人』は昔から、言葉には霊力が宿っていると考えてきた。今でも“言霊”(ことだま)といって特別の感情を抱いている。言葉は実体を現すということか。たとえば、「敗戦」を「終戦」と言い替えたりした。水商売などで、「するめ」を「あたりめ」、「すり鉢」を「あたり鉢」と言い替え、「梨」を「有りの実」と言い替えることはよく知られている。
我が国特有の現象かと思っていたら、決してそうではなかった。最近の例だが、米国でも、フランス憎しの国民感情が高まったときには、「フレンチポテト」を「自由ポテト=Freedom Poteto」と言い替えた。
その米国は、過去にも同じことをやっている。小熊英二 『市民と武装』 (慶應義塾大学出版会)から引用してみる(p90)。
《1917年10月、対敵取引法によって、敵およびその同盟国人の財産の連邦政府への管理移管条項が定められ、…ドイツに対する一般の反感も高まり、…ザワークラウト(sauerkraut)は自由キャベツ(Liberty Cabbage)に、フランクフルト・ソーセージ(the frankfurter)はホット・ドッグ(Hot Dog)へと変えられた。》
どこの国も、似たようなものか……
平成17年3月5日 B