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普茶料理を食べる
写真㊤:春の白雲庵
かねて念願の普茶料理を三十年ぶりに食べることができた。黄檗山萬福寺の普茶料理は、人数などいろいろ制限があって、予約が取れなかった。そこで萬福寺門前にある白雲庵の普茶料理を楽しんだ次第。
どの料理の食材も、全て生臭物は使っていない。出汁も鰹だしは一切使用せず、全て素材本来の味と昆布だしのみで調理されている。
献立(菜単)は次の通り。
◆澄 子(スメ):蘭茶・前汁
◆マ 腐(マフ):胡麻豆腐 *「マ」は、「痲」から「病垂の横のチョンチョン点」を取り、草冠を付ける
食卓に広く普及した胡麻豆腐ですが本来、普茶料理の麻腐(マフ)に由来した物です。
白雲庵の胡麻豆腐は、その伝統の味と作り方を正確に踏襲しており、深煎りした胡麻を、裏漉して本葛で、長時間練り炊きあげておりますので、薫り高く粘りがあり口の中でとろける逸品です。
◆雲 片(ウンペン):吉野煮
◆冷 拌(ロンパン):和合物
◆シュン 羹(シュンカン):菜煮の盛り合わせ *「シュン」は、「伊」-人偏+竹冠→つまり「ヰン」という文字に竹冠を付ける
◆油 ジ(ユジ):味付天麩羅 *「ジ」は、「慈」-「心」
◆素 汁(ソジュウ):後汁
◆エン 菜:香の物 *「エン」は、「酉」偏に「奄」
◆行 堂(ヒンタン):季節御飯
春の桜
自悦堂
新緑
素敵な庭を眺めながらの食事だが、最初は「なんだ、これっぽっち! 後で蕎麦でも食べよう」と思った。普茶料理を食べた人は皆同じように考えるらしい。
ところが、ドッコイ、献立が半ばを過ぎた頃から満腹感が襲いはじめる。献立が終了する頃には、逆に安堵感と満足感に襲われてホッとする。
前述の通り、生臭物の使用が一切禁止されているのを逆手にとって、素材本来の味を引き出して、素材本来の味で食べさせる…この調理の姿勢と心には、驚嘆するほかない。
平等院を見学した後、至福のひとときであった。
06.11.10
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