旅日記:「新疆ウイグル自治区を行く」 ⑫砂漠の用足し――広々と心忙(せわ)しき野糞かな♪
(写真㊤:天山山脈…タリム盆地の北と南~タクラマカン砂漠の縦断~山名清隆 氏)
★注:「旅程表&新疆ウイグル自治区・地図」
前にお話したとおり新疆ウイグル自治区は、北を「天山山脈」、南を「コンロン山脈」に挟まれた盆地であり、その盆地を「タリム盆地」と言い、広さは166万平方キロ、日本全土の四倍である。盆地のほぼ全土が「ゴビ灘(タン)」である。ここで少々説明する。
コンロンの雪嶺
砂漠には①砂沙漠 ②礫(れき-小石)砂漠 ③岩石砂漠 の三種類があると学問的には説明されているらしい。
世界的に観ても、砂沙漠は、砂漠全体の1~2割程度しかなく、残りは全部②と③であり、中国人はこの二つを「ゴビ灘」と呼んでいる。
固有名詞としての「ゴビ砂漠」はモンゴル共和国の南部から中国の内モンゴル自治区の北部にかけて存在するが、「ゴビ灘」という一般名詞とは無関係である。
話の混乱を避けるため、ご説明した。
タリム盆地のほぼ中央にある沙漠を「タクラマカン沙漠」という。その広さはほぼ日本全土(厳密には、日本全土から北海道をマイナスした広さ)に匹敵する。
この「タクラマカン沙漠」を走り回るのである。時に砂嵐が吹き、また時に強風が吹き荒れ、また時には砂混じりの雨が降りつける。砂漠だって雨が降るのだ。
滅多に降らないそうであるが、我々はどういうわけか雨に好かれた。
このゴビ灘や、砂漠を一日あたり300~750km走るのである。それもただただ真っ直ぐな道を、ただひたすら走るのだ。
もちろん、途中のトイレ休憩やタバコ休憩そして食事休憩を挟みながらではあるが。
車窓には、行けども行けどもゴビ灘、そして「タクラマカン沙漠」に入ってからは、ただ砂砂砂砂……見渡す限り、砂砂砂砂、目に入る限り、砂砂砂砂……それと道路両側の「砂防ネット」と砂漠化防止のための植栽である「胡楊(こよう)の木と紅柳(こうりゅう-べにやなぎ)」の群れである。
一口に「ゴビ灘」といっても、いろいろである。
紅柳が点々と一面に生えているのを「紅柳灘(こうりゅうたん)」、所々に集まって生えているのを「紅柳包(こうりゅうほう)」という。
いずれも、それらを拠点にして『砂漠化』をくい止めたいという、中国の人々の必死な思いが伝わってくる。だから、これらの植栽は無論人工的に植えられたものである。
2005/06/23
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