落語:目黒のさんま
これからの季節は‘さんま’が旬だ。安くて脂が乗っていて実に旨い。
だから我々庶民の食卓にチョイチョイ上る。昔は、七輪の炭火で真っ黒に焼かれ、炭のかけらがくっついて未だジュージューいっている‘さんま’に、大根おろしをタップリとかける。それに醤油を掛け回したのは、堪えられないくらいウマイ!
そんな庶民に愛される‘さんま’だからこそ、同じく庶民の目線に立った落語の格好な題材になる。
落語の『目黒のさんま 』click は余りにも有名だ。どなたも一度くらいは耳にしたことがあるだろう。
江戸時代、大名は勝手に自分の好きな物を食べるということはできなかった。まして「さんま」などというゲス魚を口にすることはなかった。その辺の事情を庶民の眼から見て笑ったのが、この噺である。
この噺に関しては、細部にわたっていろいろ研究されている。ここでは一番まとまっていると思われる『落語「目黒のさんま」の舞台を歩く』click を紹介しておこう。