
笑わない眼
冒頭の写真は・・柳家小三治
NHKで柳家小三治の『金明竹』(『錦明竹』ではなかった)を演っていた。この師匠は、若いときの方が面白かった。どうして、こんなに‘ねじ曲がって’しまったのだろうか。
間をずらしすぎる。ナニを気取っているのかと思う。もともと怖い貌をしていたのだが、若い頃はもっと愛嬌があった。
眼が怖い。
眼が異様な殺気を帯びている。 カミサンはゲラゲラ笑っていたが、狂気に近いものを感じた輩は、笑うに笑えなかった。
なにか、異変…体調が頗る悪いのか、他に何かあるのか知る由もないが、とにかく眼が笑っていない。
弟弟子の小満んの“眼の芸”はウマイ。間と眼で芸を見せる。近頃、これが出来る噺家はなかなかいない。
柳家小満ん
『金明竹』に限って云えば、旦那が愚か者(「松公」と云う名を使っていた)に文句を言う構えに、旦那の松公に対する怒気を感じてしまう。
演出の勘違いだろう。親戚からの預かり者・松公を慈(いつく)しむ心が欠けていては、この噺は笑えない。
観ている客が松公の方に同情心を起こしてしまうような演出は、いったい何処から出てくるのだろうか?
(平成17年1月8日 記)
06.07.28