
くりから焼き
冒頭の写真は・・筆者の食べた、くりから焼きの現物ではない。
下記サイトから拝借した。 画像元 ↓
http://hibiki-flstc.cocolog-nifty.com/blog/2006/10/post_150d.html
くりから焼き (冒頭の写真)なるものを初めて食べた。
くりから……漢字で書くと、倶利伽羅。
倶利伽羅とは、倶利伽羅竜王のこと。倶利伽羅不動、あるいは倶利伽羅明王とも呼ばれる。
倶利伽羅竜王
倶利伽羅竜王の巻きついている剣をクリカラ剣という。
またくりからもんもん(倶利伽羅紋紋)とは、背中に施した倶利伽羅竜王の模様の入れ墨(彫り物)のこと。また、その入れ墨をした人をいう。
昔は、倶利伽羅紋紋のお兄いさんとよく言ったものだ。どのような人をそう呼んだかは、わかるだろう。
(写真下 背中の彫り物)
画像元 http://urojinde.at.webry.info/200606/article_8.html
くりからもんもん
先日、友人に連れられて行った浅草の小体(こてい)な飲み屋で、友人が注文したのを食べたのが初めてだ。ウナギの稚魚を串に巻き付けて焼いたものだ。これが柔らかくて実に美味だ。
これをなぜくりから焼きと呼ぶのかを知りたかったが、友人もそこまでは知らなかった。
そこで調べてみた。広辞苑によれば……鯛のヒレを串に巻きつけて焼いた料理。婚礼その他正式の膳部に用いた。倶利伽羅竜王の形像に似ることによる ……とある。
なあるほどッ! しかし、元々は鯛のヒレが正式らしいが、実際にはそのヴァリエーションがいろいろある。
たとえば、今回のウナギの稚魚やウナギそのものを使ったもの、ウナギの肝、穴子、スッポンなどなど多彩だ。
元々の味付けは塩味だったのではないか? 鯛のヒレが元祖なら、本来は塩味なのだろう。しかし筆者の食べたのはタレだった。これも実にウマイ。
ウナギであれナンであれ、倶利伽羅竜王の形像に似ているところから、つけられた呼び名であることは間違いないようだ。
筆者の食べたくりから焼きの形状は、稚魚を使ったものだったから、もっと クリカラ剣 にそっくりだった。
日本人の食に対する姿勢……食文化を垣間(かいま)見た気がする。