隠語・符丁のこと
どの業界にも、独特の用語は勿論のこと、隠語・符丁(符帳、符牒)というものが存在する。
皆さんの業界も例外ではないはず。 だけど、業界外の人間が無闇ヤタラに使うと、失笑を買う場合がある。
鮨屋で「ガリ、ムラサキ、シャリ、あがり」などとイイ気になって言っていると、鮨職人が後を向いてペロリと舌を出しているヨと伺ったことがあった。
隠語・符丁は色々な動機や理由から生まれたものだろうが、門外漢にもやはり気になる存在だ。
次のは、寄席で長年に渡って使われてきた「数字を表す符丁」らしいが、「七」が分からない。誰か御存知の方はいませんか?
また、今でも使われているのだろうか。
【寄席の符丁(隠語)】
「へい」… 一、 「びき」…二、 「やま」…三、 「ささき」…四、
「かたこ」…五、 「さなだ」…六、 「不明?」…七、
「やわた」…八、「きわ」…九、 「へいじゅう」…十、
「へいなら」…十一、 「へいかた(こ)」…十五。
【芸者の符丁(隠語)】
花篭(はなかご) 芸者さんが持って歩く和風のバッグのこと。 【芸者の符丁(隠語)】
ここでは花柳界での符丁(隠語)をご紹介する。
◆糸(いと)… 三味線のこと。三弦とも。
◆置屋(おきや)… 芸者さんが所属する営業所のようなもの。
◆御座付(おざつき)… お座敷に付いたときのごあいさつ。その土地や 季節に応じた唄や踊りでご挨拶とする。
◆お茶を引く… 芸者さんがお客に呼ばれず、暇でいる様。暇な時間に石臼でお茶を引いたことから。
◆玉代(ぎょくだい)… 芸者さんを呼ぶ料金。花代、線香代ともいう。
◆見番・検番(けんばん)… 料理屋・芸者屋・待合茶屋の三業組合のこと。芸者さんの手配、送迎、花代の取り決めや精算を行うところ。
◆地方(じかた)… 三味線を弾く人のこと。→立方
◆線香代(せんこうだい)… 芸者さんと遊ぶときの30分間の料金。昔、時間を計るのに線香の燃え尽きる時間で計っていたため。通常、線香三本(90分)で一席。花代、玉代ともいう。
◆立方(たちかた)… 踊りを踊る人。→地方
◆花篭(はなかご)… 芸者さんが持って歩く和風のバッグのこと。→写真中身はお座敷で使う扇子や日本手拭い、足袋の替えなど。
◆つけっぱなし… 時間無制限での芸者遊び。お大尽遊びである。
06.08.16
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