この頃はコロナウイルスの影響で、とても暗い雰囲気が世界を覆っていますね。
こういう時、現実に亡くなっていく人を思うと心が暗くなるものです。
優しい人は特にそうなりがちです。
どうしても、何もできない自分、無力な自分に鬱々としてしまいます。
2011年の東日本大震災の頃、精神科病院で働いていたのですが、うつ病が悪化した患者さんの入院を対応したことがあります。
最初に入院した時に対応してからのお付き合いでしたが、東日本大震災を思い出すたびにその人のことを思い出すくらい、とても印象に残っています。
毎日テレビで流される悲惨なニュースを見続けることで心を痛めていました。
今、あの方に会えたらどんなことを伝えたいかと考えながら書いています。
この世の中には変えられることと変えられないことがあります。
人間には想像力があり、多くの困難に打ち勝つ力があります。
けれどもどうにもならないことがたくさんあるものです。
そういう時、変えられないことに悩んでしまうことは控えなくてはなりません。
それよりも、今この瞬間に焦点を当てることが大切です。
このことは、動物たちと関わる中で学んだことです。
彼らはいつも前を向いています。
一瞬一瞬の感情、発見に体も心も全力で向き合って、生きています。
美味しいごはん、気持ちの良い日向、うるさい仲間たち、軽トラックの音。
今を生きることの大切さを、こういう時だからこそ思い返してください。
あなたはあなたの生活をちゃんと過ごしていくことだけで、とても尊いものなのです。
目を開いて、耳を澄まして、香りを嗅いで、美味しいものを食べて、少しでも体を動かしましょう。
世界はとても美しいものです。
テレビやメディアのニュースばかり見ないで、夜は天気が良ければ星を眺めてみましょう。
精神科病院に勤めていた話は牧場と関係がないので、今まで書いたことがなかったのですがまた何かの機会に書ければと思います。