今年もだちょうさんの屠畜をして、お肉を作りました。
今年もたくさんの方が牧場を訪れる季節が近づいてきました。
私は卵から愛情を持って育て、敬意をもって接し、心も身体も健康に育て、だちょうさんが必要以上に苦しむことなく済むように、その死が無駄なく活かされるよう丁寧に屠畜して、美味しいお肉にすることを目指します。
口で言うのは簡単ですが、毎日の積み重ねが大切で、お肉にするときに答えが出ます。
私は必ず屠畜した日にお肉や心臓を食べ、必要以上に怯えさせずに屠畜が上手く行ったかどうか、血抜きが成功したかどうかを確かめます。
屠畜の状況を振り返り、解体しながら、脂肪付き方や内臓の状態を確かめ、生育がどうであったか確かめます。
生産者としての大切なデータなのですが、それ以外にもこういったお肉と向き合う時間は自分が生きている事、だちょうさんや様々な命に生かされていることを見つめ直す大切な時間です。
雛の頃から大きくなれよと願い、その命を奪うことは残酷で心が痛み、目を逸したくなったり、お肉を作ることや愛情をかけることをやめたくもなりました。しかし、その心の動きから目を逸らさず、自分の愚かで弱い人間性を見つめ、迷い続けながら、それでも限りある時間だとしても愛情を注ぐことは、命を頂いて生き続ける私の責任のように思っています。
私が小屋に行くと毎日だちょうさん達は目をキラキラと輝かせて、私を迎えてくれます。
私がこの子たちから目を背けたくなるような人間にならないように、一緒に笑っていられるよう、生きねばならないと思っています。
今年もたくさんの方が牧場を訪れる季節が近づいてきました。
私に出来ることはほんのわずかですが、少しでもだちょうさん達から教えて貰ったことを皆さんへ伝えられるように頑張らなくてはなりませんね。