今年も日本中からお子さん連れの家族が牧場に来場くださり、だちょうさんと楽しそうに遊んでいる様子が見られました。
長年牧場に遊びに来てくれているこどもたちの元気に育っている姿なども見られて、とてもうれしかったですね✨
ただ、夏休み明けの9月1日ごろの子どもたちは精神的に不安定になり、不登校や自殺という周りの方にとっても不幸なことをしてしまうリスクが高くなるといわれていて、帰っていった子どもたちが元気に過ごせているのか心配になる時期です。
周りの方が子どもたちの不調に気づいたり、子どもたちに直接届くことがあれば何よりだと思いながら今回文章を書きました。
長文になりましたが、読んでいただければと思います。
「命の大切さについて」
私はだちょうさんのふ化からと畜までして、だちょうさんから糧を頂いて生活しています。
命はとても貴重なものだとだちょうさんと関わる日々に教えられています。
例えば、ふ化に携わっていると卵が細胞分裂し、形作られ、無事生まれるというのは、当たり前のようで実は貴重なことだと気づきます。
細胞分裂の途中で止まってしまう子。
殻の中から出られず、鳴くこともできず、苦しそうに呼吸をし続け弱っていく子。
殻から出られたけれども立つことができず、もがきながら弱っていく子。
無事育つ子たちの傍らで、命を失う子たちをなすすべもなく、数えきれないほど看取りました。
また、産まれたとしても無事に大きくなり、皆さんに会って可愛がられる子ばかりではありません。
私の背丈を超すほどに大きくなっても、不慮の事故で骨折し、生きようと懸命にもがいたけれども死んでしまう子がいます。
産まれてからもなんらかの障がいがあるため体が大きくならず、徐々に体が思うように動かせなくなり、死んでいく子もいます。
もちろん、私の手でと畜して命をいただいたり、有精卵も細胞分裂をさせずに、お菓子にして販売させていただいたりしていますが、どの命も死ぬまで必死に生きようとしています。
その命を頂いて生きているのだから、無駄にならないよう、彼らの命から頂いたものを活かせるよう、私も精一杯生きねばならぬと学ばせていただいています。
こうした学びから、私がこうして元気にだちょうさんやお客さんたちと楽しく過ごすことができていることは、本当に奇跡的な確率で運が良いのだと感じ、日々を感謝しています。そして、皆さんもきっとそうだということについても共有したいと思い、牧場の体験に参加してくれた学生さんたちにはいつもこうした話を伝えています。
皆さんにはもしかすると至極当たり前の話かもしれませんが、こうしてこの文章を読んでいただけたのも何かの縁ですから、どこか心の片隅に留めていただければ幸いですし、苦しんでいる方がいたら、なにか手を差し伸べていただければと願っています。
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