ニセコのダチョウ牧場(第2有島だちょう牧場)

ダチョウの孵化から解体まで行い、命を頂く事、牧場を営む事で得た、学びや気づきを記録しています。

あけましておめでとうございます

2025年01月06日 | 日記
あけましておめでとうございます。

旧年中は誠にお世話になりました。

皆様のおかげで質も量も充実したご飯をあげられています。

冬至を過ぎたばかりの寒いニセコでもだちょうさんは元気に卵を産んでくれています。



最近は雪を求めてニセコに多くのお客さんがいらっしゃって色々買っているようですし、年末年始にかけて地元の方の消費も増えているよう、オカラやビール粕、寿司屋さんの貝殻等がたくさん頂けます。他にも冬に仕込む日本酒の酒粕やニセコの秋を彩ったハロウィンカボチャ、パン屋さんの廃棄パンも美味しそうに食べています。














夏には八百屋さんからは毎日のように軽トラいっぱいの廃棄お野菜等をいただいてましたし、色々な農家さんからたくさん廃棄予定のお野菜をいただきました!





ここに挙げきれていない方々も含めて本当にお世話になりました!


牧場の由来である有島武郎さんがニセコに遺した「相互扶助」という考えがあります。

彼は土地を小作人に無償解放する時に私達生産者はその土地に責任を感じ、互いに助け合ってその生計を計るようにと願いました。

ニセコの産業発展に伴って増えるゴミを資源として利用し、自然に負荷をかけないようにする事は彼の願いに沿うことでしょうし、助け合う事が地域と牧場がこれからも発展し続ける為に必要なことだと思っています。

現在、牧場では年間数百トンの産業廃棄物になるはずのものを有価物に変えられていて、これは本来かかっていたであろう処理コストや飼料に費やしていたであろうコストに加えて、処理や飼料を生産、運搬する為にかかったであろう自然への負荷を減らせたといえます。

助け合いながら発展し、経済的に自立する事と生産の大本であるその地域や環境を守る事の両立を有島武郎さんは「その土地に責任を感じ」というメッセージに託しているように思います。

こういった「相互扶助」という考えに根ざした取り組みは持続可能な畜産に繋がりますし、食料の安定供給に繋がります。

例えば、飼料をほとんど外国からの輸入に依存してきた日本の畜産業界において、円安や日本の購買力低下による飼料の値上がりが深刻な問題となっています。

利益を大きく出来ると見込んで、海外からの飼料に頼って経営規模の大きくした事業者や農家は現在苦しい経営を強いられているようです。

むしろ放牧酪農や規模を絞って無理のない経営に注力してきた農家の方がこの難局でも苦しむことなく持続可能な農業を続けられる展望を持っているように思えます。

こういった地域で資源を循環させる取り組みはこれからも拡がっていって欲しいと思います。


現在、世界中からニセコにたくさんのお客さんが訪れており、それを見込んで様々な事業者さんが新しい取り組みを始めています。



パークハイアットニセコHANAZONOさんでは、数年前からお声かけ頂いたご縁から牧場のどら焼きをデリにて取り扱って頂いております。

ご好評いただいており、ニセコの好景気を一事業者として実感してします。

ニセコの景気が良い状況を体感していると新商品を作ったり、規模を拡げていったりする事等も魅力的に思えてしまいますし、その方が賢いのかもしれません。

けれど、これからも自然や動物達への感謝と尊敬を忘れず、身の丈にあった経営を泥臭くても淡々と続けながら、お世話になっている皆様や地域に還元出来るよう励んでいきたいと思います。

またいつものように長くなってしまいましたが、今年も宜しくお願い致します。

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